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戦闘女服 - ガールズバトルスーツ  作者: 桂 ヒナギク
第一章 バルバロッサ編
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8.飛翔する戦士

 洋子が入隊テストを受けている。

「ふ! ふ! は!」

 入隊テストは戦闘術の試験だ。

 洋子も戦闘術は申し分ない。結果。

「合格だ」

「やったな、洋子!」

 喜んでいる洋子に、長官が訊ねる。

「君はどこで戦闘術を学んだんだ?」

「亡くなった父が格闘家で、小さい頃に教わったんです」

「そうだったのか」

 長官は洋子にそう言うと、秀一の方を向いた。

「なぜ喋った?」

「なぜでしょう? 自分でもわかりません」

「まあ、結果的にはよかったが、もしこの仕事が公なっていたらどうなってた? 混乱するだろう」

「ですが、怪物騒動は今や目が離せません。どこかで公にする必要があるかと」

「それは、確かにそうだが……」

「それじゃ、俺は用事があるんで」

 秀一はそう言うと、ACRを後にした。

 ……。

 …………。

 ………………。

 聡美に姿を変えた秀一は吉崎 啓介の待つ駅までやってきた。

「用は済んだのかい?」

「うん。友達がバイトしたいっていうから、バイト先に案内してて。待たせてごめんね?」

「そう言うことならいいよ」

「ありがと」

「それじゃ行こっか」

 聡美と啓介は電車で隣町にある映画館へと足を運んだ。

 映画館で映画を見た二人は、その後は夕飯を食べにレストランへ向かう。

 その途中のことである。

「うわああああ!」

 上空から男性が落下してきた。

 周囲に高層の建物はない。

 聡美は男性を受け止め、衝撃を吸収した。

「大丈夫ですか? いったいどこから落ちたんです?」

「落ちたんじゃない。怪物に捕まって落とされたんだ」

 聡美が上空を見上げると、そこには翼の生えた怪物が両翼りょうよくを羽ばたきながら浮いていた。

「啓介くん、この人を安全なところへ」

「戦うんだね?」

「うん」

 啓介が男性を連れてその場を離れる。

 去り際に男性が聡美を心配そうに見ていたのは言うまでもない。

「さてと」

 聡美は高く飛び上がった。

 だが、空中で怪物に攻撃かわされ、カウンターに遭った。

「うわ!」

 勢いよく叩き落とされ、地面に突っ込んだ。

「がは!」

 吐血する聡美。

「痛!」

 立ち上がり、様子を見る。

 怪物は空から降りてくる気配はない。

「長官、聞こえますか?」

『どうした?』

「怪物と戦闘になりましたが、飛ばれてて手も足も出せません」

『スーツには飛行機能がある』

「教えて下さい」

『マナをコントロールすればいいんだ』

「マナ?」

『あらゆる生命体は内側にマナというエネルギーが流れている。それをスーツを通して光線などに変換しているんだ。だが練習もなしに飛ぶなんていきなりは無理な話だろう。チャンスを待て』

「マナか」

 聡美は意識を飛ぶことだけに集中した。

 すると、アンバランスではあるが、体がふわりと浮かび上がる。

(行ける!)

 聡美は猛スピードで怪物の懐に舞い上がった。

「食らえ!」

 怪物の腹部を拳で突き破り、そのまま背中側へと抜ける聡美。

「ぐ!」

 怪物は力を失って落下した。

「トドメだ!」

 聡美は光線を放ち、怪物は木っ端微塵に吹き飛ばした。

 コトリ、と着地する聡美。

 そこへ、啓介と男性が戻ってくる。

「やったんだね?」

「うん」

「信じられない。ほんとにあの化け物を君が倒したのかい?」

 男性はそう言いながら、感嘆かんたんの表情を浮かべている。

「君は、何者なんだ?」

「Need not to know。……ただの女子高生ですよ」


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