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戦闘女服 - ガールズバトルスーツ  作者: 桂 ヒナギク
第一章 バルバロッサ編
5/65

5.付き合って!

 ACR基地。

「長官、他にもバトルスーツを持ってる人がいるなら説明して下さい!」

「なんのことだ?」

「横澤 愛花って子ですよ」

「横澤? バトルスーツは聡美が初号機だが?」

「え?」

「二号機以降はまだ製造していない」

「それじゃ弘樹は?」

「弘樹、だと?」

 長官の目の色が変わる。

「話しておいた方がいいか。弘樹のデータは盗まれたんだ」

「盗まれた?」

「ああ」

「犯人は?」

「非公式な組織だからな。警察に被害届を出すわけにもいかない」

「……………………」

「ACR捜査部は総力を上げて調べているが、尻尾が掴めないんだ。横澤 愛花と言ったな。弘樹を使ってるのは確かなのか?」

「はい、俺の前で脱ぎました」

「そうか。少し調べてみよう」

 長官はそう言うと部屋を後にした。

(弘樹、お前は何者なんだ?)

 聡美はACRを出ると、横澤家に向かう。

 ピンポン。

 横澤家のインターホンを鳴らした。

 弘樹が出てきた。

「聡美か。上がってくれ」

 聡美は横澤家に上がる。

「弘樹、聞きたいことがある。お前は何者だ?」

「何者って、戦士だよ」

「長官に聞いたが、お前はACRに属していない。弘樹も盗まれたものだと言っていた」

「俺がいつACRに所属してるなんて言った?」

「え?」

「このスーツはもらったんだ」

「もらった……?」

「メガネをかけた爺さんからな」

「名前はわかるか?」

「確か、滝丸とか言ってたな。いずれ訪れる大いなる厄災やくさいから世界を守れって言われて、スーツをもらった。その時にACRの話も聞かされたよ」

「滝丸……。戦い方はどこで?」

「そんなの自己流だよ」

「そうか」

「それで、今日は何しに来たんだ? ただ遊びに来たってわけじゃないだろ」

「話を聞きに来たんだ。スーツのな」

「ごめん。スーツに関しては何も知らない。ただ、戦う力が身に付くだけって聞いただけで」

 それにしても——と、弘樹が聡美の胸を触る。

「きゃあ!?」

 聡美は弘樹を突き飛ばした。

「痛! お前、まな板な」

「いいだろ別に」

「男はな、女性の胸でその価値を決めるんだ。大きい方がモテるぞ?」

「邪魔なだけじゃん」

「心外だな」

「親父と言いあんたと言い、男ってどうしてこうスケベなの? あ、俺も男か」

「俺は女だぞ、中は」

「そうだったね」

 聡美は立ち上がる。

「もう帰るのか?」

「うん、用事があるんだ」

「気をつけて帰れよ」

 聡美は横澤家を出ると帰路に就いた。

「うわああああ!」

 背後から高校生くらいの少年が駆けってくる。それを怪物が追っていた。

 聡美は目にも留まらぬ速度で怪物の前に立ち塞がると、瞬時に攻撃を浴びせた。

 吹っ飛ぶ怪物。

「あ?」

 立ち止まり様に振り返る少年。

「き、君は?」

「久木 聡美。高校生戦士よ」

「戦士?」

 聡美は起き上がった怪物に向かって駆けった。

 拳で乱打し、グロッキーに陥れる。

「トドメ!」

 聡美は光線で怪物を粉砕した。

「助けてくれてありがとう」

「どういたしまして」

 振り返る聡美。

 少年は思った。可愛い。

「君、強いんだね。それに光線出したのも凄かったよ」

「誰にも言わないでね。騒ぎになるから」

「うん」

「それじゃ」

 聡美は歩き出した。

「待って!」

「え?」

 振り返る聡美。

「あの、僕の、彼女になってくれないかな?」

(モテるじゃんかよ)

 少年の顔を見つめる聡美。

(童顔だけど、悪くないな)

「いいよ。名前は?」

吉崎よしざき 啓介けいすけ。啓介って呼んでいいからね」

「わかった。よろしくね、啓介くん」


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