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戦闘女服 - ガールズバトルスーツ  作者: 桂 ヒナギク
第一章 バルバロッサ編
4/65

4.正体

 お昼休み。

 聡美は食堂に来ていた。

 洋子は離れた場所から聡美の様子を見ている。

「こ、ここいいかな?」

 聡美は食事を手に、昼食中の弘樹に声をかけた。

「いいよ」

 向かい側に座る聡美。

「あ、君はさっきの」

 聡美の心拍数が上がる。

(まただ。また緊張してきた)

「あ、あのさ」

「うん?」

「横澤くんって好きな人いるの?」

(なに聞いてんだ俺?)

「いないかな」

「じゃあさ、私と、その……」

 もじもじしだす聡美。

「……?」

「つ……」

「つ?」

 そこへ他の男子生徒がやってくる。

「横澤!」

「あ、悪い。約束があったんだ」

 弘樹はそう言うと、食べ終えた食器を返却し、男子生徒と共に去っていった。

「失敗したみたいだね」

 と、洋子。

「なんでいきなり告白させようとしてくれてんの?」

「だって好きなんでしょ?」

「なわけあるか」

 聡美は食べ終えた食器を片付ける。

「ええ? でも他の男子はドキドキしないんでしょ? それ絶対に恋だから」

(恋、ねえ)

 聡美と洋子は食堂を後にする。

「放課後、一緒に帰るのよ?」

「え? あ、いや」

 放課後。

 聡美はカバンを手に靴置き場に立っていた。

 そこへ帰宅しようとする弘樹がやってくる。

「横澤くん、一緒に帰ろう?」

「俺と?」

「うん。一緒に帰りたいんだ」

「いいよ」

 聡美は弘樹と共に帰路に就く。

「久木さん、さっきお昼休みに言いかけてたのってなに?」

 聡美は背後に集中している。

「久木さん?」

「え?」

「だから、さっき言ってたの」

「ごめん、なんのことか覚えてない」

「そうなの?」

「うん」

「それより、さっきから後ろばかり気にしてるけど……」

「なんか気配を感じてね」

「気配、だって?」

 振り返る弘樹。

 弘樹は目を凝らした。

「そこか!」

 光弾を放つ弘樹。

「……!」

 聡美はその光景に驚いた。

 光弾は何かに当たり、その姿をあらわにした。

 それは怪物だった。

「横澤くん、あなた?」

「みんなには内緒だよ」

「じゃなくて、あなたACR?」

「知ってるの?」

「私もACRだから」

 怪物は弘樹に迫る。

「終わりだ」

 弘樹は接近してきた怪物に近距離から光線を浴びせた。

 爆裂霧散する怪物。

「もしかして、それバトルスーツなんじゃ?」

「ご名答」

 弘樹の中身が背中から頭を出す。

「……!」

 弘樹の中から出てきた人物は、端正な顔立ちをした長髪の女の子だった。

「これが私の本当の姿よ。横澤よこざわ 愛花まなかっていうの」

 聡美も自分の背中から秀一の頭を出す。

「俺、久木 秀一」

「秀一くんか。私が今まで会ってきた男子よりかっこいいね」

「君こそ可愛いよ」

「ほ、褒めてもなにも出ないからね!」

 スーツを被る愛花。

 秀一も聡美の中に戻った。

「ちょうどいいや。久木さん、俺と付き合って」

「な……それじゃ、あべこべ」

「ダメか?」

「ダメじゃないけど……」

「じゃ決まりね!」

「強引だなあ、もう……」

 かくて、聡美と弘樹は付き合うことになった。


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