51話 『思わぬ人物』
お待たせしました。
こうなる事態を想定していなかったと言えば嘘になる。と言うか、想定していた。
「まぁ、俺がこの世界に呼ばれた時点で分かっていたさ、俺の知人、俺の周辺の人物、もしくは日本人がこの世界に呼ばれるかも知れない。なんてな。」
まぁ、来たからどうこうしようとは思っていない。むしろ遠ざけるつもりだった。
同じ日本人だから。そんな力を持っているから何とかしろ。なんて無責任で自分勝手な事を言われかね無いからだ。
何で大した交流も繋がりも義理すらも無い相手の願いを叶える必要がある。それに何か対価をくれるのか?いいや、そんな筈ない。
じゃあ義理や縁があれば考えるのかと言われれば、一考の余地あり、って所だ。
だから、今回は考慮しないとな。
だって相手は内田静香何だからな。
気まずいな。告白された内田と今現在付き合っているエル...鉢合わせたら面倒な事になるんじゃないか?
じゃあ別れるかと言われたらもちろんNOだが。
さてと、どうしたものかな...
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「旦那様」
「ん?セアルか。もう良いのか?」
「はい。大分回復しました。それで、その少女の事なのですが…私がその子を逃がしたのです。」
「ふむ、そうだったか。」
「はい」
「こいつは...一応俺の知り合いだ。」
「一応...ですか?」
「ああ、正確には友人未満だな。」
「なるほど...」
「いや、変な事を言った。忘れてくれ。」
「はぁ、分かりました。」
「ぅ...うぅん...」
そろそろ目を覚ましそうだな。
色々と視ている感じ、体力は対して消耗していないので大丈夫なのだが、精神状態がちょっと悪いな。まぁ、それは時間が解決してくれるだろう。
さてと、こいつに聞いてからこの世界に留まるか帰るか選ばせるとしよう。
「旦那様、私はこれで」
「ああ、ゆっくり休め。」
「はい、ありがとうございます。」
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「ん...あ、あれ?私...何を...確か、夢を見て...?」
「夢じゃないぞ」
「ひゃあ!」
「おいおい、そこまで驚くことも無いだろう。」
「えっ!?何で!?」
「何でと言われてもな。」
「ほ、本物!?」
「ああ、だがお前が知ってる俺よりも2年程歳をとっているがな。」
「えっ!?確かにかっこよさに磨きがかかって...って違う!!いや!違わないけど!!」
「あー、とりあえず落ち着いたらどうだ?
支離滅裂になっているぞ?」
「あ、うん。......すぅ...ふぅ...」
深呼吸するほどの事か?
「よし、OK。とりあえず幾つか聞いていい?」
「話せる範囲ならな。」
「それでもいいよ。まず、ここは何処?」
「俺の拠点」
「...なるほど。次に貴方は本物の不死川夜凪くん?」
「ああ。と言っても証明なんて出来ないがな。」
「うん、それでいいの。ええと、後聞きたいのは...
...ここは私達が居た世界とは違う場所かな?」
「ああ。」
「やっぱり、そうなんだ...最後にもう1つ。...今...彼女は居ますか?」
「あー、まぁ居る。」
「っ!そ、そっかー...そうだよね。夜凪くんみたいなかっこいい人に彼女が居ない訳ないよね...」
「別にかっこよくは無いと思うが...何かすまんな。」
「ううん、仕方ないよ。2年もあったんだし。でも」
「...ん?」
「わ、私は諦めないから」
「......そうか。何か、強くなったな。委員長。いや、内田。」
「え、え!?そ、そうかなぁ?」
「ああ、前よりオドオドして無いからな。」
「ふぇっ!?そ、そんなにオドオドしてた?」
「ああ、小動物か何かだと思うくらいだったな。」
「そ、そうなんだ...」
「ああ、内田。俺からも1つ聞いていいか?」
「な、何?」
「お前、こっちに残りたいのか?それとも帰りたいか?」
「............」
「まぁ、すぐに決めろとは言わない。そうだな。1ヶ月間で決めてくれ。」
「え?1ヶ月!?」
「ああ、まずは1つ。こっちとあっちの時間に差があるのは分かった。2つ。次元を超えることによってどんなイレギュラーが起こるか分からない。そして、3つ目の理由は期間を決めないとお前がいつまでもずるずるとここに残りそうだからだ。」
「うっ...」
「とにかくそう言う事だ。ゆっくりとは言わないが、しっかり考えるといい。」
「夜凪くんは...」
「帰らない。」
「...っ!や、やっぱりそうだよね。」
「ああ、ここには大事なものが出来た。
あっちでは絶対に見つからない大切なものだ。
だから絶対に帰らない。帰りたくは無い。」
「あはは。......やっぱりかっこいいなぁ。」
「まぁ、そんな事より今は帰るか帰らないかを選ぶといいさ。」
「うっ...」
「1ヶ月だからな。それ以上に引き伸ばしにしようとしたら強制送還だ。」
「うぅ...わかった。」
瞳を潤ませている彼女を見た俺は、やっぱり小動物だな。と思った。
な、何とか週1更新なら出来るかも...




