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5話『狩り』

「うっ...」


どうやら気絶していたようだ。

幸いなことに自宅だったから良かったが、もし外だったら死んでいたかも知れない。魔力切れには気をつけなければ...


「朝か...」


外がだいぶ明るくなっている。

随分長い間気絶していたようだ。

とりあえず、飯にしようか。


「せっかく異世界に来たんだから、こっちの美味いものとか食ってみたいな...」


とは言えコボルトはもうごめんだが...

不味い上に見た目が犬に似すぎている、いくら俺が猫派とはいえ、別に犬が嫌いでは無いからな...うっ...思い出すと罪悪感が...

さ、さて、とりあえず朝飯は普通に創造して食べるか。ベーコンエッグとパンで良いか。


────────────────────────────


「さて、腹ごなしと経験も含めて狩りに行くか」


そうして、俺は拠点から外にでた。


「まず、今の身体能力で何が出来るのか検証だ」


ステータスは高かったし、人外と称されるならば強い筈だ。


「まずは...ジャンプ力だ」


軽く跳んでみる。すると...


「高っ」


凄い跳んだ。木の上まで飛べた。

ちょっと怖かった。ちゃんと着地は出来る

だろうか...とりあえず「思考加速」しよう。

これならいけそうだ。木の枝にでも着地しよう。

......ガサっ!よし、行けた。

にしても力加減が難しいな...ちょっとのつもりだったのにこんなに跳ぶとは...


「今後の課題だな。」


そう考えた俺は周囲に目を配り、今の音に寄ってきた魔物が居ないか警戒した。


「こういう時は目を閉じて音や臭い、そして気配を感じ取るんだったな。」


ピロン♪スキル「気配感知」を習得しました。


周りに生き物は居ないな...

なら次は自分の気配を断つんだ。

呼吸は浅く、音が出ないようにして

自分が空気に溶けるイメージ...


ピロン♪スキル「気配遮断」を習得しました。


よし、これを使って移動しよう。

地面に降りた俺は森の奥に進んでいった。


「音が出ないスキルとか無いのか?」


そう思った俺は忍び足で動いてみた


ピロン♪スキル「忍び足」を習得しました。


ふむ、これを強化すれば出るか?

とりあえず今日中使ってレベルを上げよう。


「何か居るな。」


前方に生き物の気配を感じた俺は忍び足と気配遮断を使って近づいて行った。


「わん!わん!」


「グギャ!グギャ!」


するとそこにはコボルトが2匹とゴブリンっぽい生き物が2匹居た。

とりあえず鑑定してみよう。


「コボルト♂」

Lv1

体力2

攻撃6

魔攻2

魔力2

防御1

魔防1

敏捷8


スキル

なし


雄のコボルト。弱い魔物で、一般人の大人が1人でも倒せる。素早い魔物で、3匹程度の群れで敵対した場合、一般人の大人が5人必要なレベルになる。見た目が可愛らしいので、騙されて殺される者が後を絶たない。



「ゴブリン♂」

Lv1

体力4

攻撃7

魔攻1

魔力1

防御7

魔防1

敏捷4


スキル

なし


雄のゴブリン。弱い魔物。群れになると脅威度が上がる。集団で村を襲って女を攫い、食べたり数を増やしたりする。別名女の敵とも呼ばれている。見つけたらすぐに倒すことを推奨されている。



うむ、詳細はともかくステータスはかなり弱いな。初期状態の俺でも勝てる。と言うかこいつら何しているんだ?縄張り争いでもしているのか?

あ、戦い始めたな。同じ魔物でも争うことがあるのか...まぁ、当たり前か...これはいい情報だ。もし群れに襲われても他の魔物にトレインが出来るかもしれない。ってかやっぱりゴブリンは人を襲うのか...まぁ定番と言えば定番だが、胸くそ悪いな。殲滅しておこう。


「さて、気配遮断を使って暗殺してみるか」


忍び足と気配遮断を使った俺は、争いあっている4匹のうち1匹に忍び寄り、そしてサバイバルナイフで首を掻っ切った。


「グギャ!?」


更にもう1匹


「わおん!?」


「グギャ!!」「わおん!!」


「流石にバレたか...」


自分の仲間が急に死んだ二匹は争ってる場合でないと悟り、俺に襲い掛かってきた。


「なら正面から殺るだけのこと」


正直武術の心得は全くないが。「思考加速」とこの桁外れの身体能力を使えば何とかなる筈だ。

そう思った俺はすぐに「思考加速」した。

そして2匹に向かって駆け出し、コボルトの首をサバイバルナイフで掻っ切り、ゴブリンの首を締め思い切り握りしめた。すると──コボルトの首が飛びゴブリンの首はもげた。


「うわ、グロい...」


自分の身体能力を過信し過ぎたかと思っていたが、やはりこのステータスはおかしい。

何で人の握力で子供サイズのゴブリンの首がもげるんだ...


ピロン♪スキル「暗殺」を習得しました。

ピロン♪スキル「格闘」を習得しました。


俺はしばらく呆然としていたが。

仕方なく解体し、コボルトの皮2枚と4個の魔石だけ取り出すことにした。


────────────────────────────


アイテムボックスが欲しいな。手に荷物を持ったままでは戦いにくい。

幸い周辺には生き物は居ないし。空間魔法を習得するか。

イメージとしては亜空間。新しく空間を創り出し、そこに物を入れると言うイメージだ。

空気中に魔力を込め、イメージをすると手に持っていた魔石が消えた。


ピロン♪スキル「空間魔法」を習得しました。


よし、これで持って行ける量に困らないな。

早速残りの素材も亜空間に放り込んだ。

さて、次の魔物の魔物を狩るか。

次は食べれるやつがいいんだが...


────────────────────────────


更に森の奥深くに進み、森が不気味な雰囲気を出している。

「気配感知」に生き物が引っかかった。

どうやら1匹だけだ。あとかなり大きい。人よりデカイな。

近づいて行くと、そこに居たのは

巨大な肌が緑色の豚面のバケモノが棍棒を持っていた。恐らくオークだとは思うが、一応鑑定。


「オーク♂」

Lv1

体力500

攻撃200

魔力50

魔攻0

防御150

魔防120

敏捷50


雄のオーク。強い魔物で、一般人では万一にも勝てない。女を攫い、数を増やすのでゴブリンと同様に女の敵として嫌われている。魔力の塊からも生まれる。1匹で村1つを潰せる強さを持つ。

食べると美味しいと言われている。



ふむ、ようは美味い豚肉だな。狩ろう。

昼飯はカツ丼だな。等という冗談はさて置き

ステータスが高いな...どうやって狩ろうか...

サバイバルナイフで首を切るか?

うーむ、この刃渡りではあの太い首を切り飛ばせばしないだろう。ならば剣を創って見るか?

いや、使い慣れない物をいきなり実戦で使うのはダメだな。リスクが大きすぎる。ではどうする...

アイツが持ってるあの棍棒でも使うか?

これもダメだな。あんなもの奪って振ったとしても重心が取れなくて振り回されるのがオチだな。

魔法使うか。火はダメだ、アイツを燃やし尽くしてしまう。水で顔面覆って窒息させるか...

俺は木の枝に登り、死角からオークの頭を狙った。


「飛べ」


命中した。オークがのたうち回って水を剥がそうとしているが、全く出来ていない。

このまま放置だな。

オークが苦し紛れの反撃をしてこないように警戒しながら、息絶えるのを待った。


────────────────────────────


ふむ、流石ステータスが高い魔物だけあって粘ったな。5分くらい経ったんじゃないか?

息絶えた死体を横目に、そんなことを思った。


「とりあえず回収」


亜空間に死骸を突っ込んだ俺は、一度昼飯を食べに戻ることにした。

ついでに走る速さを見てみようか。


「まずはジョギングくらいの速さで走るか」


「速っ!」


やばい、速すぎて制御が難しい。このままだと木にぶつかる。とりあえず「思考加速」!

ぶっつけ本番だが木に向かってジャンプして木を足場に蹴って進んで行こう。


「マジか...」


出来た。これで忍者にも何にでもなれるな。


ピロン♪スキル「身体制御」を習得しました。


やったぞこれでこの人外身体能力を制御出来る。とりあえずレベルを最優先で上げて行こう。


────────────────────────────


家に着いた俺は、オークの解体をする事にした。


「構造は人体に近いな」


と言うかほぼ人間だ。魔石の有無と身体の大きさくらいしか変わりがないな。あ、顔の骨格が違うか。


「なんか食うのが嫌になって来たな。」


でもまぁ、美味しいらしいから食べてみたい。


────────────────────────────


オークを解体した後、とりあえず塩で味付けしてそのまま焼いてみた。そして食ってみると...


「うまぁ...」


何だこれ、今まで食ってきた豚肉とは比べ物になら無いほど美味い。


「これなら異世界来てよかったなぁ...」


学校も無いから朝遅く起きてもいいし、美味いものも食えて最高じゃないか。


「異世界に永住しよう。」


育ててくれた両親や唯一の友と言っていい松尾、そして内田には悪いが、こんな美味いものがある世界から帰ってまであの生殺しの地獄のような世界に戻りたくない。そもそも今の生活が性に合ってるからな。


「いや、元々帰る気は無かったがな。」


さてと、方針は決定した事だし。

午後は「身体制御」を鍛えてこのステータスを

完璧にものにしないとな


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