38話 『対策』
結局...後で声を掛けたのだが、エルは寝ているのか、それとも不貞寝しているのか知らないが部屋に引き篭って出て来なかった。
仕方ないので史記と遠征してくる軍との交渉するときの計画を練っていた。
「まず交渉するに当たって、相手に舐められない事が大事ですね。」
「ああ、そうだな。」
少し甘く接しただけで何処までもつけ上がりそうだ。それは避けたい。
「えーと、次に要求何ですけど...
うーん、そもそも交渉って必要ですか?」
「ん?どう言う事だ?」
「いえ、こんな所に拠点がある時点で軍が来れるとも思えませんし、それにこんな所で住めるような人を見下せるような頭の悪い人間が居るのか、と言う事ですね。」
「最初の疑問は最もだな。俺も可能性は低いと思っている。だがこちらを見下す馬鹿は必ずと言っていいほど居る。」
「そうなんですか?」
「ああ。」
「うーん、ならそもそもの話、交渉しない方がいいのでは?」
「門前払いって事か?」
「はい。そもそも僕達が彼等と交渉するメリットも無いですし、義理も無いです。」
「ふむ、それもそうだな」
何か特別な物を持っている訳でも無さそうだし、持っている装備、保存食何かは俺が作る物の下位互換だし、何かこちらにとって有益な情報を持っている訳でも無さそうだ。恩を売ることで誰かとの交渉出来ると言われても目立ちたくは無い俺からすれば全くメリットが無い。
強いて言うなら魔道具か?軍用のヤツとかあるだろうが、まぁ、多分俺も創れるからな...
「そうするか。」
「ええ、それがいいですね。」
思いの外は直ぐに対策がたった。
あんなに早く帰る必要は無かったか?
ちなみに、今夜の晩飯の時にエルは普通に食べていた。ただこちらをずっとちらちらと見ていてこちらが目を合わせようとするとその瞬間目を逸らすのでめちゃくちゃ食べづらかった。
その後、エルと話そうとしたのだが...
「こ、この後は、そ、そのじゃな...
よ、用事があるから無理じゃ!」
と言って逃げられてしまった。
明日にでも無理矢理にでも話しておくか。
そうじゃないといつまでもこの調子だろうからな。
そして、暇になった俺は、散歩がてらに街を見て回ってみた。今日の月は満月か、と言ってもこの世界の惑星は向こうとは違うから月がデカい。そして色が青い。まぁ、俺としてはめちゃくちゃ気に入っている。そもそもあの惑星の名前が月なのか知らないけどな。
街の防壁は異常なし。穴も無ければ結界に綻びもない。もちろん門にも異常が無い。
と言うかRPGとかで見たようなキメラっぽい魔物が来たが、ゴーレムが袋叩きにして殴り潰した。うーむ、あの倒し方だと素材がダメになるな。後で改良しておこう。
そのままフラフラと色々な施設を見回り、風呂にでも入りに旅館に行こうかと思い湖の近くを通ると、何かを言い合っているような音が聞こえてきた。
何か問題事かと思いってた俺が湖に行ってみると、そこには...
「ダメじゃない。エルちゃん!」
「うっ、でも...しかし!」
「でももしかしも無い!」
「うぅ、じゃが...」
「好きなら逃げちゃダメでしょ!」
「それはそうじゃが...」
あー、これは...俺はここに居てはダメなヤツだな。
...とりあえず風呂に行くか...
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風呂に入った俺は、エルについて考えていた。
「やっぱりこのままってのはダメだよな...」
俺としてはエルのことは嫌いじゃない。
だが、やはり昔のトラウマが頭から離れない。
またああなるんじゃないのか?また苦しい思いをするんじゃないのか?そもそもエルは本当に俺の事が好きなのか?あの場面に居て同じ事をした人物なら誰でもよかったんじゃないか?
そんなことばかり考えてしまう。
考えてしまっている...が、俺はもう腹を括ってる。
昔のトラウマ?
昔の事と今は違う。
あんなクズ共とエルは同じじゃない。
また苦しむ?
そいつは分からないな。
エルが俺の事を本当に好きじゃ無かったら?
そん時はそん時だ。
あの場面に居て同じ事をした奴?
そんな奴は居なかったんだ。
もしの事を言っても仕方ない。
「よし。」
さてと、腹は括り直した。
とっとと上がってアイツの所に行こう。
やったぜ!免許取れたァ!でもめちゃくちゃ忙しいのは変わらないのは何でだ!?
あ、あと誤字報告ありがとうございますm(_ _)m
自分が誤字をして、それが報告されていると言うのに何故か嬉しくなってしまうって新たな目覚めかも知れないと思う今日この頃。




