31話 『ギルド(2回目)』
「さてと、ここからは自由行動だ。
各自好きに見て回ってもいいぞ。
まぁ、子供組は誰か1人、大人を連れて行けよ?
次に集まるのはさっきの門の付近だ。
夕暮れ時に集合だ。それじゃあ解散。」
「「「分かりました。」」」
「分かったのじゃ」
「分かったよ!」
「分かったぜ」
「了解です」
「はーい!」
「です!」
「...うん。」
ふぅ、1人とか2人なら気楽なものなんだが..
こうも人数が多いと中々大変だな...
よし、次からは各自勝手に行かせよう。
とりあえず、帰ったら街行き専用のテレポート小屋でも作っておくか。
さてと、とりあえず俺はどうするか...
まずギルドに行こう。そして素材を売ってから露店周りでもするか。
それにしても他の連中はどうするだろうな?
まず史記とタケルはギルドに登録しに行くのは間違いないだろうし、そうなると他の連中も魔物の素材の報酬の分け前を貰うから着いていくよな。
ん?となると結局全員ギルドに行くんじゃないか?
あー、これだと解散の意味が無いよな…
まぁ、いいか。そんなこと気にするやつも居ないだろうしな。
さてと、そんな事を思いながらギルドの方向に歩いて行くと、当然全員着いてくる。
「やっぱりお前達もギルド行くよな」
「あはは...えーと、そうなりますね。」
「そんでもって当然着いてくるよな」
「まぁ、そりゃあナギ坊もギルド行くだろ?
なら周りの連中に聞くよりも着いて行った方が早いと思ってよ。」
「そりゃあそうだよな...」
失敗したな。ギルドで解散すりゃあよかった。
「あー、まぁ、いいか。お前達、はぐれないで着いてこいよ?」
「「「「「了解です(わ)」」」」」
「分かったのじゃ!」
「分かったよー!」
「おう!」
「分かった!」
「です!」
「......ん...」
そんなこんなでギルドに着いた。
ここは相変わらず朝から飲んでる連中が多いな。
受付嬢は...あ、居たな。確か名前はエレノアだったな。
「素材の買取をしてもらいたい。」
「あ、ヤナギさん。
素材の買取ですね。分かりました。そちらの方々はお連れですか?」
「ああ。こいつらのも買取してやってくれ。」
「はい、分かりました。リルカ!こちらの方々の受付をして!」
「は、はい!分かりまし...ひっ!」
おい、人を見てビビるなよ。それは流石に失礼だろ?
「リルカ!!失礼でしょ!謝りなさい!」
「す、すいません!!!」
「あー、それ、俺以外にはしない方がいいぞ?」
「は、はい。」
「......貴女には後で話があります。
とりあえず今は受付をしなさい。」
「は、はぃぃ...」
「すいません。うちの新人がまた失礼を...」
「いや、いい。それより買取を頼みたい。」
「はい、分かりました。何を買取しますか?」
「ああ、これだ。」
そう言って俺は亜空間から解体したオーク1体と未解体のオークを3体取り出した。
「っ!?...なるほど、オークですか。早速こちらで査定させて貰います。」
「ああ」
「そ、それではお連れの方々、こちらも素材をお預かりしますよ。」
「ん?ああ。史記、頼む。」
「ええ。僕達は結構量が多いので、このカウンターではちょっと大きさが足りないですね。どこに置けばいいですか?」
「えっ?あっ!はい!それではこちらの解体所に持ってきてください!ご案内致します!」
「ええ、お願いしますね。」
「はい!」
そして、俺以外のメンバーが解体所に行った。
さて、暇な時間だな...どうするかな...そうだ。依頼でも受けてみるか?納品するようなやつなら手持ちがあるかも知れないから時間も掛からないだろ。
そう思い、俺は依頼が張り出されている所を見た。
ふむ、何か色々あるな。
ゴミ掃除求む! ランクF
依頼主 ガッツ
うちの家のゴミを片付けてくれ!
溜まってて酷いんだ。掃除の仕方は問わない!
燃やしてもいいし、ゴミ捨て場に投げに行ってもいい!とにかくどうにかしてくれ!
俺一人ではもうどうにも出来ないんだ!
場所 鳥脚亭裏の一軒家
報酬 銅貨20枚
みたいなゴミ掃除の案件が5件くらいある。
これは恐らく初心者向けだな。
そして次はこれ。
ゴブリンの討伐!! ランクE
ルーナ村 一同
うちの村の周辺にゴブリンが出たんだ!
このままじゃ村が襲われるかも知れない!
早くどうにかしてくれ!報酬は出す!
場所 ルーナ村
報酬 銀貨30枚
ふむ、この依頼、ゴブリンの数は指定してない。それにゴブリンの上位種が出るかもしれないから、冒険者にとって美味しい依頼とは言い難いんだろうな。
こんな感じの討伐依頼が8件ほど張り出されている。
それにしても...報酬が安くないか?
確か銅貨1枚で100円くらいだったから
銀貨も1枚1000円くらいだし。やはり安い気がする。いや、物価が安いからこの値段が適切なのか?多分そうだろうな。
まぁ、それはともかく、次の依頼だ。
薬草の納品依頼 ランクF
依頼主 楽薬屋 店主
森で薬草を10個ほど集めてお店に納品して下さい。量は多ければ追加報酬を出しますが、採る時は根こそぎ採るのはダメです!2、3本は残しておいてください!状態が良かったら追加報酬も出します!
場所 楽薬屋
報酬 銅貨30枚
こんな感じ納品依頼が10件ある。
ちなみにこれは美味しい依頼だな。
数を指定してるがさらに追加してもいいし、状態が良いのを丁寧に採取すれば追加報酬が出るからな。
これは初心者の冒険者達で取り合いになりそうなクエストだな。
むしろ何で今ここにあるのかが不思議なくらいだ。もしかして薬草の摘み方を知らないのか?
ふむ、何か面白そうだし、これを受けて見るか。
「ヤナギさん!査定が終わりましたので受付までお越しください。」
どうやらエレノアが査定を終わらせたみたいだな。
依頼の紙をクエストボードから外してから受付に向かった。
「今回もとても状態が良かったので査定額が上がっています。あと一体だけ解体してあり、肉が無かったので、その分は引かれています。」
「ああ、その事なんだが、肉だけはこっちで引き取るって事は出来るか?」
「ええ、値段が下がりますが出来ますよ。」
「じゃあそうしてくれ。」
「はい、わかりました。それでは査定額を計算し直しますね。」
「ああ、頼んだ。」
「えぇと、合計で金貨50枚になります。
ご確認ください。」
ふむ、やはり値段が高いな。
「ちなみに肉有りだったらどうなっていたんだ?」
「はい、その場合は金貨100枚になります。売られますか?」
肉がやっぱり高いんだな。まぁ、分からなくは無いな。美味しかったし。
「いや、肉以外売却する。」
「そうですか...分かりました。それではこちらの金貨50枚をお渡しします。ご確認ください。」
残念そうな顔をされてもやれんぞ。
売ったとしてもお前が食えるわけでも無いだろうに。もしかして受付嬢でも営業成績とかあるのか?だとしたら嫌な職場だな...と言ってもあくまでも俺の想像だから分からんが...
「ああ、確かに受け取った。ところでやけに悲しそうな顔をしているが、もしかして受付嬢って営業成績とかあるのか?」
「ああっ!すいません!顔に出てましたか?
営業成績とかは無いのですが、オークのお肉がギルドに売られるとそれを買い取った受付嬢にはその一部を食べれると言うご褒美があったので...」
「ああ、なるほどな。」
受付嬢ってそんなボーナスが出るのか...
まぁ、受付嬢のやる気を出させるには丁度いい...のか?
「すいません...」
「あー、まぁ、気持ちは分かるから気にするな。次はちゃんと肉も持ってくるわ。」
「はい、お願いします!」
と言って頭を下げてきた。
ん?犬っぽい耳が頭にあるな。もしかして...獣人か?
「?どうかされましたか?」
「いや、なんでもない。」
「そうですか?あ、そうでした!ヤナギさん、おめでとうございます。前回の分の魔物の売却でランクアップしました。Eランクですね!」
「そうか。」
こんな簡単に上がっていいのか?なんて言うか、面倒事がでてきそうなものなんだが?
魔狼のときも言いがかりされたからな。
と思って周りを見てみたが、特に何にも無い...
無駄な心配だったか?
「ああ、ヤナギさん。前回の様な事は起こりませんよ。」
「ん?そうなのか?」
「はい。そもそもギルドで盗品を売ることは出来ませんからね。」
「何でだ?」
「それはギルドで査定する係りの者が魔道具を使用した時に盗品かどうかが分かるからです。」
「へぇ、そんなことが出来るんだな。ギルドの査定って価値を見るだけだと思っていた。」
「まぁ、そんな感じで盗品対策はしていますから問題はありませんよ。」
「なるほど、わかった。
ああ、そうだ、ついでにこれを頼む。」
「ええ。かしこまりました。薬草の納品依頼ですね。納品する場所はこのお店に直接して納品して下さい。依頼を完了したら依頼先の人からこの依頼の紙にサインを貰ってからギルドに渡して下さい。」
「ああ、分かった。」
じゃあ行くとするか。アイツらはどうするか...
ずいぶんと遅いし、置いて行ってもいいか?
と思っていたら解体所のドアが開いた。
「ん?ナギ坊も会計が終わったのか?」
「ああ、これから依頼を受けるところだ。
そっちも終わったのか?」
「あー、その件なんだが…」
「どうした?」
「いやぁ、何でも数が多すぎたとかで時間が掛かってんだ。」
「そうか。ちなみに何体出したんだ?」
「あー、確か50体とかだったかな?」
「いくらなんでも初日に出し過ぎだ馬鹿。」
「だってよ、全員で分けるとなりゃあ取り分も減るから多めに出さねぇと金が足りねぇだろ。」
「まぁ、それはそうだが...
限度があるだろうよ...」
「あー、まぁ、いいじゃねぇか。」
「はぁ、まぁいい。暇な時間どうする気だ?」
「あー、その辺を歩いて適当に買い物でもしようかと思ってんだが…」
「まぁ、一文無しだもんな。」
「ああ...」
「依頼でも受けたらどうだ?」
「いや、まだ冒険者登録してねぇからな。」
「.........まぁ、頑張れよ」
「...あぁ...」
ここで俺の持ち金を渡すことは出来るが、自分で稼ぐと豪語したんだ。甘やかしはしない。
「他の連中はどうしたんだ?」
「飽きずに解体現場をみてるよ」
「そうか。まぁ、俺は依頼に行ってくるわ。」
「あぁ、行ってこい。」
こうして俺の初依頼が始まった。
今めちゃくちゃ焦りながら書いてます。
と言うか自分でもここまで掛けると思って無かったのですけどね。よくて10話で終わると思ってました...
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