1話 『プロローグ』
処女作です。どうか可愛がってやって下さい。
今日もまた何も変わらない日が始まる。
───────そう、思っていた。
俺は人を信じられない。
例えばラノベの主人公がヒロインに秘密を簡単に打ち明けるシーンを見るとなぜ?といつも思う。
ヒロインが秘密を守るとは思えない、もしかしたら騙されているかもしれない。もしも俺なら絶対に言わないだろう。
そんな下らないことを授業中ずっと考えていたら、いつの間にか授業が終わってしまった。
「よう夜凪いつにも増してぼーっとしてんな!」
そんな感じで話しかけてきたのは雨宮 松尾俺の唯一と呼べるの友人で、女子10人に告って振られた黒歴史を持つお調子者だ。
「そうか?」
「そうだよ、授業中ずっと心ここに在らず見たいな顔してたぞ?」
「ふむ...」
「で?」
「ん?」
「何考えてたんだ!?エロいことか!?」
「何言ってんだか、そんなことじゃねぇよ。
ただラノベの主人公は何でヒロインに秘密を漏らすんだろうなぁって考えてただけだ。」
「うわぁ、なんだよそれ...そんなもんヒロインを信用してるからだろ?もしくは惚れてるとかじゃねぇか?」
「信用、恋...ねぇ...」
「まぁお前は信用とか恋とか縁がないからわかんねぇか?」
「まぁな」
「お前もいつか分かるさ!」
「ふむ、だといいな」
「それより飯行こうぜ!!」
「ああ」
食堂で学食を食べていると松尾が
こんな事を聞いてきた。
「なあなあ、何でお前そんな人に避けられてんの?」
「気味が悪いんだとさ」
「どこが?」
「俺に聞いても分かるわけないだろ?」
「それもそうだな。」
俺は昔から何故か周りに避けられている。
まぁ、昔から何を考えているか分からないと言われていたから多分それだろう。
そんなことを話しながら昼飯を食べていたら
昼休みが終わった。
─────────────────────
その後には特に何事もなく授業が終わり放課後になった。
さて、帰るか...
と言っても松尾は部活で、俺はクラスで浮いているから一緒に帰る相手も居ないが
「よ、夜凪くん!」
「ん?」
誰かと思えば委員長か。委員長はクラスの松尾以外に話しかけてくる女子だ。と言っても話したのは2回か3回だが。
「どうした?」
「えっと...その...あの...」
「用事があるなら早く言ってくれないか?」
早く帰りたいんだが…
「ご、ごめん...えぇと、その...あの...」
涙目になられてもこっちが困るんだが
「悪い、何が言いたいか分からない」
「すっ!」
「す?」
「好きです!付き合って下さい!」
何言ってんだこいつ?まさか...
俺は周囲を見渡す。誰も居ないな?
「お前、もしかして罰ゲームか?」
俺が中学の時、女子が罰ゲームで俺に告るという事をされた事がある。その時に色々とあって人を信じられなくなった。
「えっ?ち、違うよ!これは私の本心で...」
「済まない、だとしても俺はお前の期待には答えられそうない。」
あんな事、二度とされたくはない。
「え、そんな...だったら友達からっ!」
「ああ、それならいいぞ。」
「ほ、本当!?」
「ここで嘘を言ってどうする。」
「そ、そうだよね!」
「ああ、じゃあ俺は帰るわ。またな...えぇとお前名前何だっけ?」
「えっ?もう1年も一緒のクラスなのに…
私の名前は内田静香だよ!よ、よろしくね。」
「ああ」
そして、俺は帰路に着いた。
「ただいま」
一人虚しく自宅に帰った俺は、
違和感に気づく。
「ん?誰も居ないのか?」
いつもなら母さんが居るはずなのだが。
「ま、いいか」
そう言って自室に篭った俺はラノベを読んだ。
「眠いな、晩飯まで少し寝るか」
─────────────────────
「んー、よく寝た...ん?」
目を覚まして背伸びをして立ち上がると
そこは一面森だった。
「は?」
何処だここは...まさか誘拐か?にしては縛られてもいないな。では何だ?
「とにかく状況確認だ...」
そう、声に出して言い。
まずはポケットを確認した。
今持ってるのは圏外になっているスマホだけか...
ん?何だこれは?尻のポケットを触ると
クレジットカードの様なものが入っていた。
ステータスプレート?
それにはこう書いてある。
ステータスプレート
名前 不死川 夜凪 (しなずがわ やなぎ)
種族 人間 年齢17
称号 「異世界人」「転移者」
レベル1
攻撃500
魔攻500
魔力500
防御500
魔防500
敏捷500
スキル
「計算」Lv10(進化可能)
「観察」Lv5
「集中」Lv10(進化可能)
「速読」Lv10(進化可能)
ユニークスキル
「想像」Lv50(進化可能)
オリジナルスキル
「完全翻訳」Lv─
「常勝概念」Lv─
「 」Lv─
異世界人に転移者...か...
いやいや、そんなまさか、ラノベでもあるまいし。そんなことある訳が無い。
何処かにカメラでもあるんじゃないか?
そう思って辺りを探し回るが、
変な植物以外は特に何も無い。
その時、頭の中に声が聞こえた
ピロン♪スキル『探索』を習得しました。
「マジか...」
これは流石に認めるしかないようだ。
俺は本当に異世界に来てしまったんだと...
とりあえずさっきのステータスプレートをもう一度見るか、進化とか色々と気になることが書いてあったしな。
ステータスプレート
種族 人間 年齢 17
称号 「異世界人」「転移者」
Lv1
攻撃500
魔攻500
魔力500
防御500
魔防500
敏捷500
スキル
「計算」Lv10(進化可能)
「観察」Lv5
「集中」Lv10(進化可能)
「速読」Lv10(進化可能)
「探索」Lv1 (NEW)
ユニークスキル
「想像」Lv50(進化可能)
オリジナルスキル
「完全翻訳」Lv─
「常勝概念」Lv─
「 」Lv─
能力値は置いておいて、今はスキルだ。
この空白のスキルは全く分からないが
とりあえず進化してみるか...
ステータスの項目に進化と念じてみる
すると...
スキル
「算術」Lv1 (NEW)
「観察」Lv5
「思考加速」Lv1 (NEW)
「瞬読」Lv1 (NEW)
「探索」Lv1
オリジナルスキル
「創造」Lv─ (NEW)
「完全翻訳」Lv─
「常勝概念」Lv─
「 」Lv─
なるほど、こうなるのか…