表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編集

のせい

作者: Re:over


「ここ散らかしたのミオだもん」


 僕は飼い猫であるミオを指差してそう言った。僕のおもちゃがたくさん転がり、見苦しい部屋をミオのせいにしたのだ。お母さんは不満げに部屋を片付け始める。


 ミオのせいにしていれば、大抵のことは許されると知り、めんどくさいことは全てミオのせいにしてきた。もう少し弟が大きくなれば、弟のせいにしてもいいかもと思っている。




 お母さんが買い物に行くと言って家を出て行った。その後、僕はベッドに転がって暇を持て余していた。そんな時、リビングから物音がした。ミオが物を落としたと、そんなところであると思い、歯牙にも掛けなかった。


 弟の泣き声が聞こえた。ミオがちょっかいを出したのだろう。昼寝の邪魔をされた時には殺してやりたくもなったが、今はそこまで眠たくないので気にならなかった。それに、泣き声はすぐに止んだ。水の音が聞こえた時も、ミオのせいだろうと思って無視した。




 お母さんが帰ってきたと思えば、家の中に悲鳴が響き渡る。何事だろうと、お母さんの声を辿ると、そこには腹に包丁が刺さった弟がいた。お母さんは憎悪のこもった目をこちらに向ける。


 お母さんの後ろにいるミオは、澄ました顔で僕が尋問されている様子を眺めていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ