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プロローグ
東西にまたがる広大な領域を支配する大陸最大の国家フランク王国第五代国王であるウォルター・フォン・シックザールは病床に臥していた。病に侵される王に対して、あらゆる治療手段が講じられたが、効果は薄く病は悪化するばかり、最終的には宮廷医の判断に任され、もって後数年の命であるとの診断がなされた。
日に日に進行する病に侵された王は次第におかしくなり、ある日突然に重臣達を召集し狂気に満ちた声で宣言する。
次の王位は最も優れた者に譲る、王位継承権を持つ者は全部で七名、互いに争い証を示せ、と。
その勅が発せられた翌日に国王は倒れ昏睡状態に陥った。
王国建国以来最大の火種を残して……。
この日を境にフランク王国は動乱の時代へと向かう事になる。
そして、国王が倒れた直後から動き出していた大貴族達に支援された七人の王位継承者による争いが、静かに、しかし燃え上がる大火の如き苛烈さをもって始まった。
プロローグはかなり短めになってしまいました……
本編の分量は普通になる予定です。