3話 出会い
俺は迷っていた。森を抜けようとしたのは良かったのだけど、歩いても歩いても全然出口が見える様子がない。それに三日間も歩き続けているのにもかかわらずだ。だが幸いなことにまだ魔物には出会っていない。木々の枝の隙間から少し見える空には空を飛ぶ魔物の影が見えるのだがただ飛んでるだけでこちらに向かってこないから安全だ。しかし三日間も歩き続けるとさすがに精神的に疲れてきたのでそろそろ休憩をしようかと考えていると急に視界が広がった。
森を抜けた先にあったのはただの荒地だった。それに最近戦闘でもあったのか空は雲が太陽を隠し大地は焼けただれ、所々に血のようなものが広がっていた。
しかし死体のようなものは一切なかった。
しばらく歩いていると突然何かの叫ぶような鳴き声が響き渡った。俺は急いでその音の方向に向かうと、そこにはボロボロだが頑丈そうな鱗のついた100mくらいの大蛇の魔物とこちらも100mくらいの大きいゴーレムが2体で戦っていた。
しかしみた感じだが、大蛇の魔物の方が分が悪いような気がした。
なぜならそれはゴーレムの片方が大蛇の魔物を押さえ込み、もう片方が大蛇を殴るというような戦い方だったからだ。それにゴーレムの方は大蛇の魔物の攻撃によって壊れた所からすぐに周りの石などによって再生されていたからだ。
しばらくその状況が続いたが、突然大蛇の魔物の体が膨らみ始めた。そして膨らみが限界に到達し大蛇の魔物が裂けると中から卵が出てきた。
するとその出てきた卵をゴーレムたちは持ち上げどこかに運び出した。
俺はもしかしたら人に会えるかもしれないと思いゴーレム達をつけていると、突然若い男の前でゴーレムが止まり卵を渡していた。俺はとりあえず仲良くなろうと思い、手を挙げながら男の元へ向かった。
すると男は「誰だ?テメェ」と言ってきた。
とりあえず警戒心を解こうと思い
「そんなに警戒しないでもらえるかな?ただ道を聞きたいだけなんだ。」
と言ったが逆効果だったようで余計に警戒されてしまった。
「テメェここがどこか分かってんのか?」
ここは正直にわからないと言った方がいいだろう。
「へー、自分がいる場所もわかってねぇのか?」
やはり怪しまれてるなどうしたらいいだろうと考えていると男の後ろに男を狙う蜂の魔物がいたので俺は急いで【雷装】を展開し蜂の魔物の元まで行き切り刻んだ。
「な、何だよテメェ…ッ!そ、それは」
男は俺の体に指を指し何やら驚いていた。
「これは【雷装】っていうんだよ。雷上級魔法の一つで雷属性の鎧を纏うものだよ。」
「や、やっぱり、あの雷神カナイの魔法か?」
「雷神カナイ?」
「あぁ、かの大英雄の1人雷神カナイが創り出した魔法の一つがその【雷装】なんだよ。」どうやらかなりすごい人の魔法だったらしい。
「俺はこの魔導書を読んで習得したんだよ。」俺は魔導書を取り出し見せながら言うと男はかなり驚いている。
「そ、それは雷神カナイの直筆魔導書じゃねぇか。ちょっと見せてくれねぇか?」かなり興奮しているようだ俺にさっきあんだけ警戒していたのを忘れるぐらいに
俺は「いいよ」と答えて渡してやると男はしきりにスゲェスゲェと言いながら眺めていた。
「あ、そういえば名前を聞くのを忘れてたけどなんて言うんだ?」
「あぁ、俺はガリウス、ガリウス・ガイアだ。よろしくな。」
もう警戒心は無いようだ少し安心した。
忘れていたが俺には名前がなかった。
流石にホムンルクスと名乗るのはやめておいた方がいいだろう。
しかしどうしようか…よし安直かもしれないがホムンルクスをもじってルクス・ホルンにしよう。
「俺はルクス・ホルンだ。よろしくな」
「そうだ、どこに行きたいんだ?」
「教えてもらっていいのか?」
「命の恩人だし、こんな大切な魔導書を貸してくれるような奴は悪い奴ではねぇ」おぉ、かなり評価が高くなったようだ。
「それじゃあ、俺は街に行きたいかな」
「そうか、ちょうど俺も街に行こうとしてたからよ。一緒に行こうぜ。」
そうして俺らは街に向かって歩き出した。