プロローグ
初めての投稿ですので温かく見守っていただけると幸いです。
プロローグ
高校最後の夏というと思い浮かべるものはなんだろう。
受験というものもいれば就職というものもいる。
そしてその誰しもが少しは抱いてあるであろう疑問・・・なぜ最後の夏なのに遊んだり好きなことに熱中できないのか?
そんなことは考えたって答えなんてない。強いて言うなら今の社会のせいだろう。しかしそれも当たらずとも遠からずといったところで本当のところやはりわからないのである。
だが俺はそんな諸君に言いたい。「そんなこと考えてる暇があるなら現実を見ろ」と。
そんなことを思っていながらの予備校からの帰路。俺が通っている予備校は住宅街にあるだけあって俺の家へは一本道で帰れる。
だが毎日同じ道を往復というのはなかなかにつらいものがある。
今から家に帰っても夕飯には時間があるし、その間はおそらく勉強をさせられる。回避するためにはどこかの公園で暇つぶしするしかないかと思い、家の裏にある公園へ寄った。
何をするでもなく考えるわけでもなくただただベンチでぼーっとしていた。
そしてそろそろ帰ろうと思い立った時、長い黒髪のなびく美しいシルエットの制服姿の子がいた。
よく見ると同じクラスの女子だった。
それが僕と彼女の出会いだった。