七十九話 成果の物語
椿と針女は白虎の護衛のおかげか何とか影が少ない場所で隠れることが出来た。少ないと言ってもいないわけではない、まだまだ警戒が必要だ。
「どうする?」
「敵が群がるのも時間の問題だ。様子を見て移動した方がいい。」
白虎の提案で椿たちは戦いが終息になるまで身を潜めることにした。しかし、とある影がこちらを見つけたのか攻撃を仕掛けてきた。気づいた白虎が蹴りで消滅させるが気づかれたのか、影たちがこちらに向かってくる。
「まずい!すぐ離れるぞ!うわっ!!??」
「針女!!」
針女は一際大きな影に捕まり首を絞め挙げられた。咄嗟に髪を針のように尖らせ距離を取ろうとしたが首に力を入れられ上手く狙いが定まらない。
「く…苦し…い」
「針女を離せ!」
白虎は今度は拳で攻撃を仕掛けたが、影が針女を盾にし上手くいかない。
「卑怯だぞ!!」
「ううっ…つ…ば…き…にげ…ろ」
針女はわずかな酸素を吸いながら椿に訴えかけた。
だが、椿の気持ちは違っていた。
「ダメよ!私は…逃げない!!私は友達を護れる存在になりたい!」
「椿!?」
「白虎さん!針女をお願い!」
椿の掛け声と共に地面からツタはなく硬い枝が生え、次々に影たちに絡まっていく。
「落ち着いて…手先まで力を集中して…大丈夫。あんなに頑張ったじゃない。」
力を集中して長く伸びた枝は一際大きな影の動きを封じた。そのおかげか針女の首から手を離し、すかさず白虎が針女を安全な場所へ移動させた。
「げほげほっ!…椿?」
「みんなにいつも助けられてた。でも私もみんなを護りたい!咲け!!」
絡まっていた枝に次々と椿が咲いていく。そして椿が散ると共に影たちは消滅していった。
「す、凄い…」
「はぁ、はぁ。やった…...?」
「椿!凄いぞ!あんなに影を倒すなんて!」
椿はまだ実感が湧かないのか手を見つめていた。力を扱えるようになったのか。
「椿の姿を見たら私も負けてられないな。」
「アタシだって!仕返しに自慢の針の痛み、思い知らせてやる!!」
「…やりましょう!!私たちならできるわ!」
椿たちは再び影に立ち向かっていった。
妖刀はまだ抵抗する…封じることはできるのか。




