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七十三話 作戦会議の物語

あれからゆづるは一つ目たちの付き添いで『福呼び食堂』に戻るとそこには見慣れた妖怪たちが集まっていた。

「ただいま。」

「お邪魔します。」

「なんか、集まっているね。」

「おぉ、ゆづる!帰ってきたか!」

「待っとったで!」

店に入ると窮鼠と鉄鼠が迎えてくれ、周りを見渡すとそこには件たちはもちろん、晴明や道満、烏天狗にカマイタチ、口裂け女とネコもいた。

「み、みんな集まってどうしたんですか?」

「実は、今から対辻斬りの犯人についての作戦会議もとい話し合いをしようと思ってな。」

「あぁ、アキヒロも何かしら情報を得ているようだしな。」

鬼女がゆづるに指を向けると服の隙間からピラピラと札が動いているのに気がついた。

「お、おじいちゃん!?待ってて!」

ゆづるは札を取り出すと思いを込め「急急如律令!」と唱えた。すると再び無数の蝶が羽ばたきアキヒロが現れた。しかし、何やら持っているようだ。

「おぉ、今日は大所帯じゃのう。よかったよかった、丁度いい。」

「アキヒロ…そのダルマは?」

「これか?今回の事件の手がかりを持つ妖怪じゃ。」

「このダルマが?」

「オイラはただのダルマじゃないでごわす!ダルマの付喪神でごわす!」

「付喪神?」

「話を聞くと妖刀と一緒盗まれたらしく、犯人も夜行と言っている。」

「俺たちの得た情報でもやはり犯人は夜行だった。犯人は夜行で確定だな。」

犬神は情報を整理するとスルスルと筆を走らせると今度はダルマが口を開いた。

「妖刀は魂、妖怪を斬ると成長する刀でごわす。夜行の目的は閻魔大王を殺すこと、しかし…あれには強力な封印がされていたでごわす。なのにどうして…」

「それは・・・」

ゆづるは一つ目の方を見る。すると一つ目は意を決した表情で前に出た。

「それは…それは俺の組のもんが俺を助けるために封印を解いたんだ。ごめんなさい。」

「なんと!?あの封印を!」

「そいつは鍵開け職人だから。」

事象を知っている犬神は一つ目の負担を考え、話題を変えた。

「…おいダルマ、逆に聞くが妖刀を封印する方法はあるのか?」

「あるでごわす。オイラを使うでごわす!」

「はぁ?付喪神を?」

皆の頭にハテナを浮かべていると晴明がダルマの正体に気がついた。

「いや…そいつはカラクリ兵器だな。」

「ど、どういうことでありんすか?カラクリ兵器?」

「そのままの意味だ。このダルマは妖刀を封印するためのカラクリ兵器。そうだろ?ダルマ。」

「…ハハハッ!バレてたでごわすか!」

「陰陽師の目は誤魔化せんぞ?おそらくここに連れてきてもらうために油断させたというところか。」

「そうなのか?ダルマ。」

「騙して悪かったでごわす。男。」

「晴明様、道満様、こいつは信用しても?」

犬神の問いに道満が答えた。

「あぁ、こいつはあくまでも封印しかできないし、悪さはできん。それに今は此奴に頼るしかない。」

「オイラは妖刀を封印する。それが役目でごわす!信用して欲しいでごわす!」

「…まぁいい、他は?何か申したい奴はいるか?」

「俺から提案をしていいか?」

手を挙げたのは烏天狗だった。

「カマイタチと俺の友人の情報だが今、夜行は天空山の村に向かっているようだ。それに音楽にうるさいと聞く。そこで俺と友人が村にて音楽で相手を惹きつける。その隙にこの痺れ毒で夜行を怯ませる。で、妖刀を奪い返し封印。という作戦はどうだろうか?」

「いい作戦だ。だが、よく痺れ毒なんかをよく用意できたな。」

「椿さんのおかげだ。」

「椿!?」

その名前に驚いたのはアキヒロだった。ゆづるはそういえばアキヒロに椿のことを話していないことを思い出し、今までのことを話した。椿がここにきた理由、今は妖怪であることを。

「…そうか…椿が…」

「ごめんなさい、話すのが遅くなって…」

「いや、いいんじゃよ。それもそうと他の妖怪たちもゆづるの友達か?」

「うん!!」

ゆづるはアキヒロに他の妖怪たちも紹介した。窮鼠に鉄鼠、烏天狗とカマイタチ、晴明な道満、一つ目たちも。

「これはこれは皆さん、ゆづると仲良くしてくれてありがとう。一つ目君、蟒蛇君もありがとう。」

「い、いえ…」

「……」

一つ目と蟒蛇は照れながらお辞儀をした。

すると「ゔんんっ!!」と件の咳払いでみなが振り向いた。

「話を戻します。では、先程烏天狗が言っていた作戦で行きましょう。皆さんよろしいですね。」

「おう、痺れ毒は俺に任せろ!俺の風で毒を塗った矢を命中させてやる!」

「カマイタチ、よろしく頼みましたよ。では実行日は日付を考え、明後日です。各自用意をお願いします。」

「「「おう!/はい!」」」

作戦は決まった。夜行退治がもうすぐで始まろうとしている。

ある場所では何かが動き出していた。

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