六十二.五話 ダルマの物語
その頃、アキヒロは彷徨っている魂たちに話を聞いていた。
子供、年寄り、若い男女など様々だ。
「魂狩り?確かにあったが犯人までは分からねぇな。」
「知らないわ。」
「あの時は必死だったから。」
「そうか、すまぬな。」
話をするに被害にあった魂は皆、逃げるのに必死で顔、容姿等は見ていない。
どうしたものかとため息をついていると声が聞こえた。
「おい!そこの男!」
「おん?」
アキヒロが振り向くとそこには大きなダルマが立っていた。
「…ダルマだな。」
「おうさ。オイラはダルマの付喪神でごわす。男、何を探している?」
「ワシは魂狩りについて聞き回っているんだが、見ての通り収穫なしじゃ。」
「ほう、もしオイラが何か知っていたらどうする?」
アキヒロはその言葉にぴくりと反応した。
「聞かせてくれるか?」
ダルマが言うには自分は妖刀と同じく盗まれた品らしい。
そして魂狩りの事件の時に落とされたのこと。そして肝心の犯人は…
「ありゃ夜行で間違いないでごわす。」
「そうか、夜行か。目的は?」
「う~む、オイラが聞こえた話では力をつけ、閻魔大王を殺す事だと言っていたでごわす。」
「閻魔大王だと!?妖刀にそこまでの力が…...?」
「「紗雨」という妖刀は魂を狩った分成長する…成長した刀は閻魔大王を殺せると考えたでごわすな。」
「…お主、少しワシの行くところに付き合ってくれんか?ワシの仲間は今起こっている妖怪の世界の辻斬りと魂狩りの犯人は同一と考えている、話に参加して欲しい。」
アキヒロは妖刀に詳しい。なにか手がかりになると踏んでダルマをゆづるたちの所に連れていくことを決めた。
「構わないでごわす。」
「すまぬな。しかしお主重いのぉ・・・」
「そりゃダルマでごわすからな。」
アキヒロは重いダルマを持ち上げるとスタスタと歩き出した。
『福呼び食堂』に見知らぬ客が来たようだ。誰かの知り合いみたいだ。




