六十一話 裏の物語
怒りに震えていたカマイタチはとある場所で煙羅煙羅に会っていた。
「なによ?俺に用って。」
「金魚さんが負傷した。辻斬りの仕業らしい。」
「あぁ、最近はやっているみたいだね。」
「お前、何か心当たりないか?」
「なんでそう思うわけ?」
煙羅煙羅は煙管を吸うとフゥと煙を撒いた。カマイタチは鋭い眼差しで答える。
「お前は裏の情報に詳しいからだ。あのムジナよりな。」
「ははっ!だよね?まぁ、心当たりが無くはないけど。」
「誰だ?」
「情報屋の世界は甘くないよ?情報を渡すには対価が必要だ。」
「金か?」
「いんや?俺が今欲しいのは…ねぇ?」
「……わかった。針女の好みの店を紹介しよう。アイツは辛いものが好きらしいからな。よく老舗の辛さで有名なうどん屋に行っているようだ。」
「うーん、まぁまぁかな?でも誘う口実にはなるね。採用。」
すると煙羅煙羅は懐から手帳を取り出すとペラペラとページをめくる。目当てのページを見つけると読み上げていく。
「辻斬りの可能性があるのは夜行という妖怪だ。首の無い馬に乗っていることと、最近強さ比べをしているとの噂があってね。それが辻斬りかもね。」
「夜行か…居場所は?」
「辻斬りでしょ?転々としてるから流石に分からないよ。」
「そうか…悪いな。助かった。」
「あ!あと、これはおまけ。夜行は音楽にうるさい妖怪みたいだよ?」
「音楽?…わかった。頭の隅っこに置いておく。」
「毎度ありぃ~。」
カマイタチがその場を離れると煙羅煙羅も煙と共に消えていった。
「金魚さんの仇は撃つ…」
「カマイタチか?」
声のする空を見上げると烏天狗が見回りをしていたようだ。
「…烏天狗。」
「こんな所で何している?」
「辻斬り探しをな。」
カマイタチの様子を見て烏天狗は金魚に何かあったかを知った。そして犯人が夜行である可能性も。
「金魚が…」
「切り傷みたいだが、俺は許せない!」
「気持ちは分かるが、どうするんだ?犯人は転々としているようだし…」
「夜行は音楽にうるさいと聞いたが…」
「音楽だと?」
烏天狗はその言葉に反応した。音楽を嗜んでる烏天狗にとっては力になれる事だからだ。
「カマイタチ、そのおびき寄せる件を俺たちに任せてくれないか?」
「俺たち?分からんが頼めるか?」
「あぁ、だが時間が欲しい。7日…5日だ!いいか?」
「俺もまだ情報を集めたいからな。お互い準備が出来たら作戦を再度練ろう。」
烏天狗にはなにか考えがあるみたいだ。すぐにある場所に飛び立った。カマイタチは一度情報を整理するために『福呼び食堂』に向かった。
椿のもとに誰かが来たみたいだ。何処か面影がある妖怪みたいで




