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六十話 判明の物語

その頃、鬼女と件と犬神は狐の宮に来ていた。ある妖怪に会うためだ。目的の場所に着くと件が口を開く。

「覚、いらっしゃいますか?」

「件様、こちらにおります。」

覚はテクテクと件に近づいて来た。

「これはこれは犬神様にご友人様も。ようこそいらっしゃいました。」

「あなたのことです。なぜ来たか分かりますね?」

「心が読めますので。少々お待ちください。百々目鬼!」

「はい、こちらに。」

覚の呼び掛けに百々目鬼はすぐ様現れた。

「百々目鬼、件様たちがあなたに用がある様です。正直に話しなさい。」

「……あの方は?」

布で顔を隠す鬼女に目を向けたがすぐ覚は答える。

「あの方は大丈夫です。ただのご友人様ですよ。私は外へ出ています。ゆっくり話しなさい。」

「承知しました。」

鬼女に気を使ったのだろう。覚がバタンと外に出たのを確認すると犬神が口を開いた。

「急にすまないな。お前に聞きたいことがあるんだ。」

「……。」

「お前、妖刀『沙雨』を知っているな?」

「はい。知っています。私が盗みましたから。」

「…随分正直に話すな。」

「覚様は心を読めるお方…嘘を言った所でバレますからね。」

「でしたら話しは早いですね。その刀をどうしましたか?」

件が尋ねると百々目鬼は大きく深呼吸をし、こう答える。

「……夜行という妖怪に売りました。大金をつぎ込んできたので。」

「あなたは何をしたか分かっていますか?どのぐらいの妖怪が犠牲になっていると!?」

「…申し訳ありません。」

「落ち着け件。気持ちがわかるが、今は犯人の情報を得るために来ているんだ。」

犬神は取り乱した件を抑えていると今まで静かだった鬼女が口を開いた。

「刀を渡したのは80年ほど前か?刀を手にする理由は言っていたか?」

「渡したのは確かにそれぐらいの時期です。理由は…強さが欲しいと呟いていました。まずは魂を試すと」

「…そうなると魂狩りの犯人も夜行のようですね。」

「夜行とやり取りは?」

「とっくに切れてますよ。昔ですから。」

「そうか…」

犬神たちがどうしようかと悩んでいると百々目鬼があることを口にした。

「『目黒組』のあの妖怪なら何か分かるかもしれません。裏の妖怪ですし」

「なんと言う妖怪だ!?」

「三つ目です。少々変わった妖怪ですが、鍵開けの達人です。妖刀の鞘の鍵も開けたと聞きました。最近なら鬼の村に向かっているはずです。」

「鬼の村は『福呼び食堂』のところか。」

「話は済みましたか?」

トコトコと再び覚が現れると犬神は「あぁ、用は済んだ。悪かったな」と返した。

「百々目鬼は本当に罪深いことをしましたが、今は私の元で反省し精進しています。どうかそれだけは分かって頂きたい。」

「…そのようですね。私たちの問いにも正直に話してくださいました。もう罪を重ねてはいけませんよ百々目鬼。」

「肝に銘じます。」

それから犬神たちは、急いで鬼の村『福呼び食堂』まで向かうのだった。

カマイタチは犯人を探していた。何やら誰かと話しているようだ。

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