五十話 犯人?の物語
「ではゆづる、質問するぞ?この妖怪の世界に来る前に他に気になったことはあるか?」
「えっと…確かおばあちゃん家に行ってたんですけど、こっちを見る影があったり、近くに物の怪の森があって…あ!青い蝶を追いかけた時に「人間だ」っていう声もした!」
「ほぅ…影、物の怪の森、声。」
晴明の質問にゆづるは答えた。それに対し晴明は関係する文言を呟きながら静かに考える。
「確か昔に妖怪と人間の世界を繋げる森があったと聞いた事があるが…もう閉鎖され残っていないはずだ。」
「でも、入れたんなら帰れるんじゃないの?」
「でも、森に入れても道が分からないと意味ないんじゃ…」
「そっか。」
一つ目たちも微力ながら知識を出し合っていると急に晴明が術を唱える。
「…急急如律令!」
「お呼びですか?清明様。」
清明が呼び出したのは大きい体をした武士だった。
「武者、お前に聞きたい。確か冥界列車の魂狩りの事件に居合わせていたな?その犯人がゆづるがここに連れてきた可能性がある、犯人は見たか?」
「え?居合わせたって…それに関係って…」
ゆづるは話についていけず、清明に尋ねると清明は皆に説明をした。
「武者は事件のあった冥界列車の生き残りだ。訳あって使役している。それと物の怪の森は閉鎖されているが、妖力が強い妖怪なら機能する事があるんだ。それにもし折姫の折り紙の蝶が正体だとして記憶にないと考えると誰かに操られていたのかもしれん。」
「私、操られていたのですか?」
「可能はある。武者、話せるか?」
「お力になれるのであれば。あれは争いで死に、魂として冥界列車に乗っておりました。すると急に辻斬りの如く魂が切られていきました。我は運良く避けきれましたが、その姿は少ししか…」
「どんな姿だった?」
晴明が聞くと武者は少し困ったように答える。
「…人間でもあり、妖怪でもある容姿です。力は凄まじく、お恥ずかしながら魂であった我は隠れるしか無かった。」
「それは仕方がない事だ。気にする事はない。」
「人間であり、妖怪って…トンチか?」
「単純に半人間半妖怪ってことじゃないの?」
半人間半妖怪とは…現代で言うハーフということだろうか。
頭にハテナを浮かべていると晴明が答えた。
「そのとおりだ。半人間半妖怪で妖力が強い者…鬼女…」
「鬼女?」
「その名の通り鬼の妖怪だが人間の血も混ざっている。妖力も強い…彼女が犯人なのか?」
「もしそうなら、鬼女はどこにいるんですか?」
もし晴明の話である鬼女が犯人であれば彼女に会えば全ての真実が分かる。ゆづるは怖いが、知るべきだとおもった。
「………思い当たる場所がある。」
「教えてください!」
「…わかった。では明日、今から言う者を集めてくれ。場所は…」
一方椿に何かあったようだ...大丈夫だろうか。




