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四十八話 憎しみの物語

「カマイタチ!おまんが呼んだがか!何故じゃ!」

「もう俺はこの仕事を引退しようと思ってな?」

「そんでも、こやつも同罪じゃ!おまんも捕まれや!」

「残念だったな。俺はあくまで協力した身だからお咎めなしだ。」

「くっくぅぅぅぅ!おまんらも所詮は人間の味方がか。何故分からん!人間は酷い生き物ぜよ!何故そんな人間を匿う!」

「おい!ムジナ!大人しくしろ!」

「人間なんぞ殺されて当然じゃ!味方する必要ないじゃろ!おい、カマイタチ!答えろや!」

大きく暴れ出すムジナにカマイタチは口を開いた。

「こいつはダチだからだ。それ以上でもそれ以下も無い。」

「ダチだぁ!?おまんついにおかしなったか!?」

「ははっ!正常だよ。」

嫌味ったらしくカマイタチは笑う。すると後ろにいたゆづるがムジナの前歩いていった。そして…

「ムジナさん、妖怪には人間を恨む者もいる…あなたも人間の被害者なんですね…」

「はっ!なにが言いたい?ガキごときにワシの憎しみは分からんぜよ。」

「はい…分かりません。だから教えて頂けませんか?あなたの苦しみを。」

ゆづるは子供ながらに言葉を探しながらムジナに向き合った。

きっとムジナからしたら馬鹿なことを言ってると思っているだろう。だが、少しだけ話してみようとも感じ出したのだ。

「………昔は人間と妖怪が共存しとった時代があった。ワシの親父は人間と仲良かったぜよ。じゃが、時代は流れ人間は欲を出すようになった。争いぜよ。力を使えん人間は妖怪を騙して人間通しの争いに加担させた。その結果どうじゃ!?悪いのは妖怪!酷いのは醜いのは妖怪!そのせいで親父は自害したぜよ。人間が殺したようなもんじゃ!ワシは人間が憎い!親父を殺した人間が!!」

ムジナは涙を浮かべるとその場に崩れ落ち地面を力強く叩いた。

「ムジナさん…」

「同情なんざいらん…さっさと連れていくぜよ。」

「ムジナさん!決して許されたいとは思っていません!でも言わせてください!僕たち人間のせいであなた達を苦しめてしまって…本当にごめんなさい!!」

ゆづるは大きな声を出しながらムジナに土下座をした。額が赤くなるまで地面に擦り付ける。決して許して欲しいための謝罪じゃない。子供ながらの謝罪とわかっているでも、言わずにはいられなかった..。それを見たムジナは静かに口を開く。

「あん時も…ちゃんとこのガキみたいに「ごめんなさい」を聞けてたらなにか変わったかのぉ…」

「ほら、歩け!行くぞ!」

カマイタチは静かにゆづるの肩に手を置く。

「ゆづる、大丈夫か?」

「うん…おじいちゃんの事は落ち込んじゃったけど、大丈夫。」

「そうじゃ、ガキ。一つ教えちゃる。おまんもどうせ冥界列車に乗って帰ろうとか思ってるじゃろ?その方法は無理ぜよ。」

ムジナはゆづるの方に振り向くと聞きたくなかった言葉をかける。

カマイタチはすぐさま問いかけた。

「どういう事だ、情報売りが嘘を言うのか?」

「落ち着けや、嘘じゃあないぜよ。冥界列車は廃車なった。原因は列車内であった魂狩りじゃ。あまりにも危険と判断して運行を無くしたっちゅう話ぜよ。」

「そんな…」

「じゃが…もし、犯人を閻魔大王に突き出せば?帰してくれるかもしれんのぉ?話は以上じゃ。行くぜよ。」

烏天狗はムジナの腕をひきその場を後にした。

「…最後に話してた犯人を見つけるって…それに青い蝶の話は他の誰かも聞いてたみたいだった…」

ブツブツと呟いているとカマイタチが話しかける

「ゆづる。なかなか酷な話を聞かせちまって悪かったな。お詫びに金魚さんとこで水飴食べに行こうぜ?」

「う、うん!」

きっとカマイタチはゆづるを慰めるよりかはただ単に金魚さんに会いたいだけかもなって複雑な気持ちだが、カマイタチさんなりの優しいさだろうと感じた。

確かに子どものゆづるにとって今までの考えをねじ曲げるような内容だったが、そんなことで諦めるようなゆづるではない。もっと手がかりを探さなければと思うのだった。

ゆづるは一つ目たちと集まって何やら話しているようだ。覗いてみよう。

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