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四十五話 手がかりの物語

ある狐の宮にいる非番の椿に手紙が届けられた。ゆづるからだ。何か情報を掴んだのだろう。

「お、あのチビから手紙が来たか。内容は?」

「…冥界の湖が何か青い蝶に関係しているかもしれないと書いてあるわ。」

「「冥界の湖」って魂の行く場所じゃねぇか!誰も場所を知らない…閻魔大王様しか知らない場所だ。」

針女は椿に行くのは不可能だと告げるとどうしたもんかと悩んだ。

するとトントンと戸を叩く音が聞こえ開けると首を長くしたろくろ首が着物を持って立っていた。

「椿ちゃん、針女!いるかい?」

「ろくろ首さん?着物の修繕ですか?」

「今ならすぐ出来るぞ?」

「いや、修繕じゃなくてこの着物をある所に届けて欲しいんだよ。ほら、椿ちゃんが前に羽衣様の気まぐれで行った飛縁魔の店なんだけど。」

椿と針女は手紙の件があるが非番なのは変わらない。

二人はろくろ首の頼みを引き受けることにした。

「分かりました。今から向かいますね。」

「助かるよ!妖気を振りかけるからちょいと待ってね!」

ろくろ首に妖気を振りかけてもらい、飛縁魔の店に向かった。

「なぁ、羽衣様とお雪さんと行った時ってどうだったんだ?」

「二人とも凄くお酒に酔ってて、暴れたり騒いだり。お店の方も大変そうだったわ。」

「うわぁ…想像できるな…」

クスクスと笑いながら歩いているとあっという間に店に着く。

が、何やら店が騒がしく感じた。

「すみません!飛縁魔さんはいらっしゃいますか?」

椿が店に向かって叫ぶと飛縁魔が現れた。

「あら!あの時のお連れさん!着物を持ってきてくれたの?ありがとう!」

「久しぶりだな、飛縁魔。」

「あらあら、針女も来たのね!お礼におもてなししたいんだけど…今日は大切な客人様でね。ちょっとバタバタしてるのよ。」

飛縁魔は店の方に顔を向けるとたくさんの妖怪があれを用意しろ!酒が足らんぞ!と叫んでいた。

「客人って?」

「死神様よ?たまにこちらに来るの。」

「死神!?」

針女は驚くと椿に耳打ちをする。

「死神はあの「冥界の湖」の管理人だ。まさか狐の宮に来るとわな…」

それを聞いた椿は飛縁魔に尋ねた。

「死神様にお聞きしたいことがあるのですが、その場に同席は可能ですか?」

「難しいかもね…死神様はなんと言うか…下心がある方でね。もしかしたら話し合いが出来る状態にはならないかもしれないね・・・ちなみに何を聞くんだい?アタシが聞いてきてあげるよ。」

飛縁魔は椿に提案をするが、人間ということをバラせない以上理由は話しづらい。飛縁魔は「事情があるみたいだね」と一旦椿たちを別室に案内した。

「あの…」

「死神様はうちの店では迷惑な客でね?誰か退治して欲しいと思ってたんだ!」

何故か飛縁魔は大きな声で周りに聞こえるように言う。これは同席しても良いとのことだろうか?

と思っていると今度は小声で話しかけた。

「いいかい?数分だけ、あんたと死神様の二人だけの時間を作る。そこで話を聞きな。もし何かあれば叫ぶんだよ?」

「理由は聞かないんですか?」

「この店は皆何かしらの事情があって働いている。言いたくないことだってあるだろう?だから聞かない。…それに!またアンタをめかしこめるなんてありがたい事だからね!」

飛縁魔はふふふっと笑い、道具を取りに行くとその場を離れた。

「大丈夫か?椿。アタシが代わろう!」

「ダメよ、針女は男性が苦手でしょう?無理はしないで。」

「うっ…」

「でも、ありがとう。飛縁魔にもこんなわがままを聞いてくれて感謝しかないわ。」

椿は死神に接待することに…情報は引き出せるのか。

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