四十四話 募る話の物語
「で?」
「なんだ?」
「なんでこうなってるでありんすか!?」
ネコは大きい声で叫んだ。
なぜなら、昔の友?の煙羅煙羅とカマイタチと一緒に集まっていたからだ。なぜそんな組み合わせになったかというと、始まりはカマイタチだ。金魚に一目惚れし、店の手伝いを進んでするようになった。その中でふと、煙羅煙羅とネコと募る話がしたいと思ったのだ。そして今、とある店にいる。
「いいじゃねぇか、メシも奢る。話しようや?」
「いいねぇ、じゃあまず俺から。」
「もう勝手に始めてるでありんす。」
煙羅煙羅は近くにあった酒をクビっと飲むと話し始めた。
「俺たち、用心棒同士で集まって色々やってたなぁ?で、知らぬ間に「旋風団」って団体を組んで大きな仕事もこなしてたなぁ。」
「「旋風団」はカマイタチが勝手につけた名前でありんすがね?」
「いいじゃねぇか!キマってるだろ?」
カマイタチも酒が入ったのか大きな声で言い返す。やいのやいのと昔話で盛り上がっているとある疑問が浮かび出す。
「そういやぁネコ、お前は人間が嫌いなのにあの子には懐いてるよなぁ?なんで?」
「あ!俺もそれが気になった!」
「…まぁ、確かにアチキは人間が嫌いでありんす。だから最初は驚かせたりで追い出そうと考えたでありんすよ。でも…」
「でも?」
「一緒に過ごしていくと、あの子はアチキが知ってる人間とは違う…優しい人間の子どもって気づいたでありんす。だからなのか、守ってあげたいって不思議な気持ちがあって…って!もういいでありんすか!?」
「へへへっ!ネコに似合わない顔だな!」
「確かに確かに!」
「にゃっ!!そんな顔でアチキを見るなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ネコはバンと机を叩くと近くの酒が揺れる。それも面白いのか煙羅煙羅とカマイタチはさらに笑った。
「あ!カマイタチ、お前恋したんだって?なんか派手な妖怪に。」
「派手じゃねぇ、華やかと言え!金魚さんは綺麗な方だ!最近は店の手伝いをさせて頂いている!」
「でもその金魚って妖怪……おと…ぐふっ!」
煙羅煙羅がカミングアウトする前にネコが足をけった。すると小声で会話する
「え?何?あいつその事知らないの?」
「多分知らないでありんすよ。可哀想だから黙ってるでありんす。」
だが、カマイタチもそこまで馬鹿ではなかった。
「同じ男だがあの華やかな振る舞いと容姿には惚れ惚れするぜ…。」
「「え!?」」
「あ?」
カマイタチとネコ、煙羅煙羅は互いに顔を合わせた。
「知ってたでありんすか?金魚さんが男って…」
「あぁ、骨格は着物で隠しているようだが察してはいた。」
「なぁんだ、面白くないなぁ。」
「悪かったな?面白くなくて..お前みたいな遊び人には分からないだろうよ?性別を超えた想いはよ。」
「俺はやっぱり女がいいねぇ。」
煙羅煙羅は2本目の酒を開けると一気に飲み干す。煙羅煙羅は女好き、女なら構わず直ぐに声をかける程だ。そんなことはネコとカマイタチは知っている。だが、次の言葉に驚く事になる。
「でも恋してるよ?今。」
その瞬間カマイタチとネコは飲んでいた酒を吹き出した。「汚いねぇ」と言う煙羅煙羅に「嘘だろ!?」と返す。
「あの、特定の女を決めない煙羅煙羅が?一体誰を…」
「ん?君らも一度会ったことあるだろ?針女だよ。」
「「あー…」」
二人は思い出した。煙管の事件を。煙羅煙羅が針女に一目惚れして煙管を渡したのならあの訳の分からない行動に説明が行く。だが…
「煙羅煙羅、悪いことは言わないでありんす。やめとくでありんす。」
「そうだぜ?なんせ針女は男嫌いな妖怪だからな?」
煙羅煙羅に諦めるように諭したが、答えは違っていた。
「だからいいんじゃない。それを落とせば俺のものだろ?燃えるねぇ♡」
「「こいつ、針女にぶっ飛ばされればいいのに」」
「息ぴったりだねえ。」
ネコとカマイタチはつい本音を零すとあまりに息ぴったりに言うもんだから煙羅煙羅は拍手をした。
「楽しそうですね?」
「お!金魚さん!」
「奇遇だねぇ。」
金魚はネコたちのいる場所に来ると「お隣構いませんか?」と言い座った。
「何の話を?」
「えーと、カマイタチのこ「黙ってろ!」
「こいつらと昔話とかを話してたでありんす。」
「いいですね、昔話。」
金魚さんは酒ではなく水を飲むと語り出した。
「私、実は昔に狐の宮で舞をしていたんです。自分で言うのは恥ずかしいですが、なかなか人気はありましたよ?」
「だから、あの時は鈴で入れて貰えたんでありんすね…」
「さすが金魚さん!!」
「聞いてるよぉ?”なかなか”よりも”凄く”人気だったみたいだねぇ?」
「煙羅煙羅さんは詳しいですね?」
「野郎に褒められてもねぇ」と返すと金魚はふふふっと笑い返した。
時が流れ互いに話す事が無くなりかけたをきっかけに解散することにした。
「では、私とカマイタチさんは店に用事がありますので戻りますね?」
「アチキは食堂に帰るでありんす。」
「んじゃあ、俺は針女に会いに行こうかね?」
「ぶっ飛ばされるのがオチだぞ。」
「それはそれで構わないさ。」
別れを告げ、各々の帰る場所へ向かった。帰り道に金魚は何故かカマイタチに謝罪をした。
「カマイタチさん、この前は申し訳ありませんでした。お恥ずかしい姿を。」
「い、いえ!まさか水浴びをされてるとは思わず、こちらこそすみません!」
そう、カマイタチは金魚の骨格で性別を判断したと言ったが、実際は金魚の水浴びを目撃して知ったのは誰も知らないだろう。
今度は椿たちが動き出すようだ




