四十話 面の物語
ある日、ゆづるとネコは通りゃんせの森に向かっていた。
何故そうなったかと言うと、以前出会ったぬらりひょんからゆづる宛に手紙を貰ったからだ。内容はこうだ。
『お前さんに良い情報が入ってのぉ。知らせようと久しぶりに手紙を書いたわい。通りゃんせの森に蝶に詳しそうな妖怪がいるらしい、名前は大百足。虫に詳しいようじゃから恐らくお前さんの知りたい青い蝶についても何か分かるかもしれんぞ? ぬらりひょん。』
との事で、店は運良く休みだったゆづるは早速出発しようと足を伸ばした瞬間呼び止められた。
「ゆづる!どこ行くんだい?」
「え、えっと…ぬらりひょん様から頂いた手紙にあった大百足さんに会いに…」
「いいかい!遠くに出かける時はネコを連れて行きな!」
「話は聞いてるでありんすよ?口裂けの姉御の言う通りにした方が身のためでありんす。」
口裂け女はあれからゆづるに対し心配性に磨きがかかった。近くの場所なら大丈夫だが、遠くの場所の時は誰かが一緒じゃないとダメらしい。今回はネコと一緒に行く事で出かけることに承諾してくれた。
そして今に至る。
「で?ゆうちゃんは通りゃんせの森の入り方は知ってるでありんすか?」
「うん!ぬらりひょん様に教えてもらったよ。」
「じゃあ、行くでありんす。」
「そこの者達。」
誰かに急に呼び止められ、後ろを振り向くと猿の面をした妖怪が立っていた。猿?通りゃんせの森…と何か覚えがあった。
「あなたはもしかして面霊気さんですか?」
「いかにも。拙者は通りゃんせの森を管理する面霊気の猿でござる。お主が座敷童子殿でござるか?」
猿は「ござる」と特徴的な語尾でゆづるを見た
「は、はい!」
「して…そちらは?」
「付き添いのネコでありんす。」
「そうでござるか、ぬらりひょん殿から話は聞いているでござる。あの時は悪霊を退治してくれて感謝でござる。我々面霊気も頭を悩ませていて、代表して礼を申すでござる。」
「い、いえ、あの時は話をしただけで何も…」
「して、何か感謝をしたくここに参った次第でござる。何処か行きたいところがあれば拙者が案内するでござるよ。」
ぬらりひょんはあくまでゆづるのことを座敷童子と紹介していたようだ。人間の匂い?が少しする妖怪は座敷童子と判断し、誤魔化してくれたんだろう。尋ねられたゆづるは猿にあることを提案した。
「じゃあ、大百足さんのところに行きたいです。尋ねたいことがあって…」
「承知したでござる。でも通りゃんせの森の決まりには従って貰うでござるよ?」
「分かってるでありんす。」
それから猿を先頭に通りゃんせを歌いながら森に進んで行った。
猿が言うには前回は通りゃんせの最奥の『木の葉温泉』だったため気にしなかったが、他の村などに行きたい場合はその村又は会いたい妖怪を思い浮かばせて歌いながら進むと辿り着くようだ。
森がひらけてくる。
「着くでござるよ。」
広がった先はなんだか本が沢山ある不思議な場所だった。
不思議な場所につくとそこには…




