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二十八話 鈴の物語

「狐ノ宮はここから近いか?」

「ええ…ちょっと待つでありんす。」

猫が懐から地図を取り出すと指を進める。

「うーん。2つ山を超えた先でありんすね。」

すると金魚は2匹に携帯していた提灯を手渡した。

「狐ノ宮に行かれるのでしたら必ず提灯を持っていってください。」

言われるがままネコとカマイタチは受け取ったがそれと同時におかしいと感じた。

何故ならいまは真昼、2つ山を超えた先出会ってもまだ日は登っているはずなのだ。

「有難いでありんすけど、なぜ提灯?」

「今は真昼ですし。」

「狐ノ宮は別名百夜の街と言われ、ずっと夜なんですよ。ついでにこれも、」

金魚は長い袖から赤い鈴を出すとそれも渡した。

「これは私からの招待状と思ってもらって構いません。何か役に立つと思います。」

「ど、どうも」

…金魚は一体何者だ…

と2匹揃って思ったのだった。

「では、私はこれで失礼しますね。」

「あ、ありがとうでありんす!」

「いえいえ。」

金魚が荷物を持って歩き出すとカマイタチが後ろから大きく手を振る。

「き、金魚さん。また、会いましょーね!!」

「ええ、また。」

「よしっ行くぞバカネコ!」

「へいへい」

カマイタチに対して冷や汗を垂らしながら二匹は足早に先を急いだ。

先ほどは昼間だったが、金魚が言ってた通りだんだんと日が沈み始めている。

「金魚さんの言った通りだったでありんすね。」

「あぁ。さすが金魚さんだ!」

二匹は早速提灯に火を灯すと夜道に注意しながら足を動かす。

すると目の前に怪しい提灯が幾つも連なり『狐ノ宮』の看板を掲げた大きい鳥居が現れた。

「おいネコ、着いたぞ。」

「うわぁ…。見るからに百夜の街でありんすね」

「目がチカチカする…あそこが正門か。」

カマイタチたちが門に向かうとそこには白と黒の二人の巨人が腕を組みながらたっていた。

「ひゃぁ…偉いガタイがいい妖怪で…」

「目ェ合わすな…通り過ぎるぞ…」

そう言うとカマイタチは猫の腕を引きながら足を早めたが現実はそう上手くはずもなく、黒い巨人がカマイタチたちに目を向け、大きな槍で道を塞いだ。

「なんだぁ?てめぇ…こっちのモンじゃねぇな…なんの用だァ?」

ビクッと肩を揺らすが既に遅く、白い巨人もこちらに目を向ける。

見るからに簡単に通してはくれないようだ。

「い、いやぁどうも。俺たち、狐ノ宮に用があって入りたいんですが…」

「あっアチキたちこれ!これ持ってるでありんす!」

すかさずネコとカマイタチは金魚に貰った鈴を袖から出して見せた。

「あぁん?何だこりゃ…おい、知ってるか?」

「いんや、知らねぇな。さてはこいつら…変な嘘で入ろうとしてんじゃねぇか?」

「そうか、そうか…では尚更とうすわけいかねぇ!覚悟せぃ!」

「こりゃ…まずいでありんすね…」

「馬鹿ネコ!呑気なこと言っている場合か!!」

白と黒の巨人が槍を大きく振りかざしもうダメだと思った瞬間、向こうから大声で叫びながら誰かが走ってくるのが見えた。

「こぉぉらぁぁ!お客様になんという失礼な態度をとっとるんでぃ!」

走ってきた妖怪は巨人を怒鳴りつけたと思ったら今度はネコたちに向かって謝り始めた。

「すいません!金魚さんのご友人様でしたか、うちのものが大変失礼しました。

ほれ、お前達も頭を下げろ!」

巨人はあまり納得はしなかったが渋々頭を下げた。

「親方、一体どういうことでしょう。」

「馬鹿野郎!この鈴は金魚さんのご友人の証だよ!お前の目は節穴かぁ!?」

「なんか…助かったのか?俺たち」

「お、恐らく…」

白と黒の巨人がひとまわりふたまわり小さい妖怪に叱られている姿はおかしな光景だが、今は助かったことにネコたちは安堵した。

「いやぁ、すいやせん。お客さん、ましてや金魚さんのご友人に失礼な態度、お許しくだせぇ。」

「い、いやぁ…大丈夫でありんすよ。」

「そうですか!ワタクシ手の目と申します。して、金魚さんはどちらに」

手の目という妖怪はキョロキョロと見渡すが当たり前だが金魚は見当たらない。

「金魚さんにはただ紹介されただけて、俺たちは針女を探しに来たんです。」

「は、針女?あの男嫌いで有名な針女に?一体またなぜ?」

「それは…その針女にうちの大将が煙管を渡してしまって返してもらいたいんだ。」

狐ノ宮に到着し再び聞き込みをしていると、針女とある人物に出会う。

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