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木陰の記憶  作者: Manu
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9

大きな滝があり、

川が流れ、水車が回る。

広場には噴水があり、

そのどれもが美しい。


町はキラキラと輝き、

人々の顔も明るい。


綺麗だなぁ。と、

全身で感じることしか出来ない。


ふと、隣を見ると

怜司が何かを言っている。

今まで見たことのないような、

優しい目で町を眺めながら。


なんと言っているのか

聞こうとしたところで

目が覚めた。


怜司は先に目を覚まして

みかんを食べていた。


新「おはよう?怜司。

  お腹がすいたの?」


怜司「……ああ、少しだけ。」


怜司はビクッと驚いたようだった。

いつもしずかで冷静なはずなのに

少し驚かせることができたことが

嬉しかった。


辺りを見回すと、

昨日と少し景色が違う。

川が反対側に流れている。


いつの間にか

反対の岸へ渡っていることに気がついた。


新「怜司!

  反対の岸に運んだのは君か?」


怜司は、小さくうなずいた。


新「どうして、運んだんだ?」


怜司「多くの獣の気配があった。

   だから運んだ。」


新「そうだったのか。ありがとう。

  でも、起こしてくれれば、私も歩ける。

  今度はそうしてくれ。」


怜司は、あまり喋らない。

それに、表情も変わらない。


初めてあった時から、

何を考えているのか

全く分からない。


嫌われているのだろうか。

それならなぜ、こんなにも

一緒に行動しているのだろうか。


人とは、分からないものだな。



しばらく歩き、町についた。

まきさんの住んでいた辻風(つじかぜ)より、

小さな町だ。


滝があり、川が流れている。

水が豊かで、作物はよく育っている。


怜司「こっちだ。」


怜司が導く先は、

一つの家だった。


新「ここは、宿なのか?」


怜司「俺の家だ。」


新「そうなのか!

  ここの町に住んでいるのか?」


怜司「旅の第一拠点といったところだ。

   この家は、

   あなたが俺にくれたもの。」


新「  ……っ!?」

最後まで読んでいただき

ありがとうございます。

次も読んでいただけたら嬉しいです。


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