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川の方まで怜司を探しに戻ってきた。
新「怜司ー?
あ、いた!」
怜司は、水車のところで
しゃがみこんでいる。
新「何をやっているんだい?」
怜司「ああ、少し強度が心配で、
様子を見ていた。
大丈夫そうだ。」
新「すごいな、こんなのを作れるなんて。」
怜司「……大したことはない。」
新「さてと、とりあえず、どこか
遠い場所に行ってみたいんだけど、
怜司は、いいところ知ってる?」
怜司「この川の向こう側に、
村がある。」
新「そうか、では行ってみよう。
ところでなんだけれど、
どうやって渡ったんだい?」
怜司「もう少し上流のほうが
渡りやすい。」
新「そうなのか!ならば、
そっちの方へ行ってみよう。」
しばらく歩き、途中でまきさんが
くれたおにぎりを食べ、また歩いた。
すると、向こう岸に渡れそうな
岩のある場所にたどり着いた。
だが、もうじき日も暮れる頃だった。
新「やっと、向こう岸に渡れそうだ。
でも、もう日も暮れるし、
濡れてしまってはいけない。
明日にしよう。
あれ?あそこに小さな小屋がある。
行ってみよう!
泊めてもらえるかもしれない。」
怜司「……」
新「怜司?」
怜司「だめだ。
あの小屋は、さっきまでなかった。」
新「小屋が、そんなすぐに建つのか?」
怜司「しずかに。
ここで寝よう。
もう夜になる。
しっかりと、何かをかけて
暖かくして寝ろ。」
新「あ、ああ。」
すごい剣幕だ。
それにしても、
なぜ小屋に行きたがらないんだ?
知り合いでもいるのだろうか?
この羽織がまさかこんなにはやく
役に立つなんて。
梅川さんにもらった
羽織をかけて、
木へと寄りかかり
眠りについた。
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