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木陰の記憶  作者: Manu
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4

新の10年

 ~10年前~


私は、

自分が誰かも分からず、

川のそばで目を覚ました。


多くの記憶がなくなり、

頭が混乱していたのだろう。

頭がズキズキと痛み

しばらく立つことはできなかった。


辺りを見回しても、

木があるだけで、

他に人は誰もいなかった。


川下へ行けば、集落が

あるかもしれないと考えた私は、

やっとの思いで立ち上がり、

川下の方へと歩きだした。


だが、途中で気を失ってしまった

ようだ。気がつくと、

今住んでいるまきさんの

家のベッドに寝ていた。


まきさんいわく、

水汲みに行った際、

私が倒れているのを見つけ、

助けてくれたのだそうだ。


私が覚えていたのは、

言葉と文字、それに

身体をどうやって動かすか

ただそれだけ。


ただ、覚えてはいなかったが

持っているものに

手紙のような紙が入っていた。

が、その手紙はとても

読める状態ではなく、

かろうじて読み取れるのは、

少ない単語だった。


『……、……役目…相談…する………願い…』


この紙を見て、まきさんは、

これからどうしようかと

固まっている私に、

相談所をやってはどうかと

勧めてくれた。


そして、相談所をやるのに

名前がないのは不便だろうと、

まきさんが、私に

新という名前をつけてくれた。


私はどこから来たのかを

調べるために見覚えのあるものを

探して歩いた。そこで見つけたのが

相談所がある木陰なのである。


まあ、木はどこにでも生えているから、

見覚えがあると言っても、

同じ木だとは考えにくい。


だが、記憶を取り戻す道しるべ

となるかもしれないと思い、

相談所の場所に選んだのだ。


私にも、町の人たちのように、

家族がいたのだろうか?

家族のために、私は

なにをしていたのだろうか?


私の大切な人たちは、

私を今も探しているのだろうか?


最後まで読んでいただき

ありがとうございます。

次も読んでいただけたら嬉しいです。


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