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木陰の記憶  作者: Manu
3/9

3

新「よいしょっと!」


梅川さんの家に着いた。


梅川「おお、ありがとな。

   お礼にみかんをやろう。」


梅川さんは、

家の裏にあるみかんの木から

いつも3つ程みかんをくれる。


新「ありがとうございます。

  まきさんも喜びます!」


梅川「また明日も頼むぞ!」


新「はい…。」

(重労働なのに、みかん三つなんて、

 割に合わない気がする。)


果たしてこれは、

仕事といえるのか?

分からないけれど

仕方がない。


相談所へ戻るため

町を歩いていると

魚屋のおじさんに

引き留められた。


魚屋「おいおい、新!

   また金にならないことをしてるな。

   いい加減、そんなことはやめて

   俺のとこで働かないか?」


魚屋のおじさんには、

よほど働き手が欲しいらしく、

会うたびに働かないか? と、

聞いてくる。


新「ははは。

  大丈夫ですよ!

  それに、私がやらなかったら、

  お爺ちゃんは困ってしまう。」


魚屋「お前、お人好しにも程があるぞ!

   まあ、そのお陰でまきさんも

   お前を家に置いてくれるの

   かもしれないけどな。

   まあ、あんまり、まきさんに

   面倒かけるなよな!」


新「あはは…

  善処します…。」

(痛いところをつかれたな)


まきさんは、

お金を払うと言っても、

私がお金を持っている

わけがないと、

絶対に受け取ってはくれない。


だが、まきさんは、

ずっと家にいる。

どうやって家計を

支えているのか

全く分からない。


新「はあ、

  もう十年も一緒に住んでいるのに、

  まきさんは、謎だらけだ。」


気がつけばもうお昼。

相談所に戻る。木陰の

ちいさな看板の上には、

いつもならばいるはずの

スズメがいなかったので、

少し寂しさを覚えた。


相談に来る予定のお客さんも

今日はもういない。

私は木の幹に寄りかかり、

そっと目を閉じた。

最後まで読んでいただき

ありがとうございます。

次も読んでいただけたら嬉しいです!


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