詩臭
何かわからないポリアミン それでもわかるクリティカル・ワールド 決まり手は押し出しでいいかもね
誰でもわかる無知蒙昧 それでもわからない文字列の刑 反則負けした褌が舞う土俵の真ん中で行司が歌う
系列位置効果に見る レキシコンの夕暮れ エッセンシャルオイルに嗅ぐ緑の虹
原型無視した線形の虫 コンペに参加しないでもらう特典 エッセンシャルな駆動回路にみる喜々
線形回帰する立体模型 文脈の山脈が連なる文鎮 社会インフラの整備されたコンサートイベント
強烈の弱肉 山裾に広がる星の連携プレイ 社会的価値のない美術的価値はどこにいくのだろうか
塞ぎこむ太陽の熱 踊る暇なんてないからと 静かに唱える呪文の美しさ
見とれる空の中 空中浮遊する踊り子 町々に踊るその影に彷徨う
月明かりに見える月 描き切れない数の月 暖かい風が吹くとき我を忘れて月になる
月の数は12個あるけれど 数えてみれば13個 だれが正しいのか間違えたのか
礼儀正しい海の波 笑う門にぶつかって足の小指が痛い 値段の高いボートより豪華客船の方が安い不思議
行儀の悪い人の浜 打ち上げられた流木に落書きする ストリートアートな無価値な文言
山開きする 走る地平線 美しい山小屋が燃える
昇る人の列に紛れて 振り返る未来 醜い自分の顔を見る
空から降る椅子の足 飛ぶ毛布でぶら下がる 青い氷の下でうずくまる
台地から昇るシャボン玉 浮かんでは消える自分の心 赤い窓から見ているだれか知らない人
寂びれた音楽 だれも聴くことのない夕暮れ 心地よい白壁
明るい人生 思い出の予感がする黄昏 気分を害するわたしは電線
夢に抱かれる 描く人のかげぼうし 儚い永遠の固形物
幾何学的存在証明 わたしがいないことの 流体の意志
桜の噴火する アルゴリズムの怒り どうやっても直らない稽古の無駄遣い
弟子をとらない弟子がいる そんな広がりの狭き門 フローチャートから外れた月の世界
新しい星座を作った それは民主主義の反旗 豊かな演者の旋律の青い鞄
古い星座のごみの過去 記憶にそがれた独裁的思考 貧相な連中の言い訳づくりに愛想をつかした
発酵した色使い 遺伝子に組み込まれた第六感 それは抽象的具象の抽象のオブジェ
腐食した管轄の者たち 遺伝子レベルでの末路を行く それは悪意を善意にみた証
地球の経度が揺れている 成り立ちを知らない慣用句 人の営みの代謝にみるいい加減さ
わたしの緯度が弓なる それは言葉の矢じりの先 尖った丸さの貫きの無傷
リンゴをかじる それは走る夕焼け 楽しいことなんて何もない楽しさがある
悲しいことなんて何もない悲しさがある それは止まる正午 かじったリンゴから草生える
机に突っ伏して 泳ぐたい焼き 楽しいことうれしいことそしてさびしいこと
わびしいこと 行きかう人々の矛盾した足取り 稼ぐのはお金で合って人でないこと
カメラを構える 笑うのはじぶん 寒い写真の出来事の外
熱い写真家のなか 色とりどりのモノクローム 額縁に育った感情線
朝焼けの雲 踊る空に舞う 眩しい光が踊っている
朝日が昇る そして降りる エレベーター式のエスカレーター 怪しい心の中で外に向かう
月は隠れて 飛ぶヘラジカ にこにこわらうのはざんだぐろーず
サンタクロースは 一年に一度きり 二年に二度きり 三年に四度きり
実直な蜃気楼に惑わされて 明日を見るトランジスタな夕べ まどいにまどわずまどえにまどえ
剛直な水紋に壊されて 今日を思うダイオードな逆流 まどべに赤い紅を塗るほおずき
水辺から這い上がる睡蓮に惚れた アルゴリズムのリズムに乗って 商用につかえない逍遥なプログラミング
フローチャートなチョコレートのごはん 昼飯に夕ご飯する太陽と月 星たちが笑う嘲笑の痛み
魚のいない鱗雲に骨はあるか エピステーメーなテープを貼る 蒼穹の青さに緑が勝る
馬のいない馬の骨とやらは だれでもないわたしのことに それでも口は動く ガムテープの裏ごしに