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07話 ドタバタ混乱譚

言い訳させて下さい忙しかったんです。

朝から透花の奇行に頭を抱えつつ、さほろは教室に戻る。


「さほろー‼‼‼見て見て猫じゃらしー‼‼‼‼」

「元の場所に戻してこい‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」


最近は本当に喉を酷使しすぎている。

というか、その猫じゃらしはどこから持ってきたのだろうか。

さほろたち3年生の教室があるのは3階だと言うのに。


「……あ、そうだ。透花、今度の土曜日にご飯に行く約束があるんだけど、透花も来ない?」

「え、行く‼‼‼‼行く行く行く絶対行く死んでも行く何があっても必ず行く‼‼‼‼‼」

「………………そうか。ってちょっと待て、猫じゃらし何処に捨ててきた⁉⁉⁉」


そこ?と突っ込まれそうなところを突っ込むさほろ。

透花の発言に少しばかり引いたが突っ込んでなるものかというさほろの強い意思、いわば現実逃避である。


「ねぇねぇさほろ‼」

「もー、どうしたの透花」


明らかにやれやれ感が滲み出ているが、さほろにとって透花は大事な友達。

一緒にいて楽しいし、話しかけてもらえるのも普通に嬉しいのである。

まぁ透花本人に言ったら調子に乗るのは目に見えているので、口が裂けても言わないが。


「やばい、プリント無くしちゃった‼」

「おばか‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」


あわあわしながらプリントを捜索(結局クリアファイルに普通に挟まっていた)。

やっぱり少しだけ疲れるかも、とさほろは思ってしまったが、頭を振ってその考えを掻き消す。

流石に透花に対して失礼である。


「ねぇねぇさほろ‼」

「どうした〜?」


笑顔を繕いながらさほろは透花の方を見る、と。


「見て虫‼ 気持ち悪くない⁉」


前言撤回。

やっぱり透花といるのは少し疲れるかもしれない。


「…………里野‼‼‼‼助けて‼‼‼‼‼‼‼」


さほろは無い体力を振り絞って隣のクラスまで行き、里野に助けを求めた。


「え、何さほろ。どしたん」

「ごめんちょっと盾にさせて‼‼」

「え?」


里野が振り向くと、そこには。


「……いやいやいやいや……なんで???????????」


虫を紙の上に乗せて持ってくる透花が、ダッシュでやってきた。


「…………よし」

「?」

「愁斗ー‼‼‼‼‼‼‼助けてー‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」

「え?そこで呼ぶの?」


もうちょいまともなシチュエーションで召喚したかったが仕方がない。

背に腹は代えられないというか、収拾さえつけば何でも良いと考えたのだろう。


「どうしたの里野………………って、え」

「愁斗‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼かくかくしかじか‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」

「あーね」


ひとまず愁斗は状況を把握できたらしい。

ついでに今さほろに盾にされている里野の盾にされていることの理由も。

しかしだ。


「ゴメン、女子苦手だから私抜きで頑張って」

「見捨てた⁉⁉⁉⁉⁉⁉」

「やばいって、うち虫無理だよ⁉⁉⁉⁉⁉⁉」

「…………何やってんだお前ら」

「「「新村‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」」」


タイミング最高‼‼と顔を輝かせるさほろ。

助かった……‼‼と安堵する里野。

あ、〆られると冷や汗を流す透花。

新村はある程度の状況を一瞬で察すると、


「よし透花、遺言はないな?」


と拳をボキボキ鳴らしながら聞いた。


「遺言すら言わせてもらえないのかよ」

「てか今更だけどあの人何者?」

「透花? 透花はストーカーだよ」

「マジで何者???????????????????????」


里野の疑問も尤もだと思うが透花に関してはこうとしか言えないのである。

透花はストーカー。


「ってかさほろ‼‼ソイツこそ何者⁉⁉⁉」


新村から逃げつつ透花も言った。

あの新村から逃げ果せるなどなかなかできることではないのに。


「え、里野? 里野はえーっと……」


……なんて言えば良いのだろうか。


(友達だなんて見ればわかるし……そういや透花は接点ないんだっけ)


素性を晒すか?と若干ズレた考えを持つ。

逃げまくっている透花にも伝わるように、なるべく簡潔に言うべきだろうか。

そこでさほろが選んだ言葉は、


「えっと、ロリコン‼‼‼」


これであった。


「さほろ?????????????」

「ロリコン⁉⁉⁉⁉⁉⁉wwwwwwwwwwww」

「あぁ、何の間違いもないな」

「間違いだらけだが?????????????」

「ロwwwリwwwコwwwンwwwwwwwww」

「透花と同じ犯罪者予備軍だな」

「新村????????????????????????」

「はーおもしろ」


これが普通だと言ったら異常かもしれないが、これが普通である。

もう一度言おう、これが普通である。

異常が正常なのである。

そろそろ透花の体力が尽きそうだと察したさほろは、


「新村、そろそろ勘弁してやってよ」


と声をかけた。


「もう透花の体力も限界っぽいし。新村も朝の準備しなきゃいけないっしょ?」

「……それもそうか」

「さほろっっっっっ‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」


新村が宥められ、透花も解放される。


「ありがとうさほろ〜〜〜〜」

「はいはい。じゃあ教室戻りますか」

「………………待て、虫どうした?」


里野が言った。


「え? 持ってるよ?」

「…………透花、今日は接触禁止‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」

プロフィール No.6



崎戸真慈



授業に入ると爆睡をかますが一応常識はある。

超器用。本気を出したら頭も良い。



誕生日:7月4日 身長:174cm 出身地:地球

一人称:俺 在籍クラス:3B

好きなもの:カップ焼きそば、ゲーム、睡眠

苦手なもの:動くこと、陽キャ


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― 新着の感想 ―
[良い点] ロwwwリwwwコwwwンwwwwwwwww 流石さほろ、筍のことを良く分かっていらっしゃるようで
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