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04話 計画を立てましょの会

てか俺ら全然掃除してねぇな、という新村の言葉で慌てて掃除を始める。


「うげ、超泥まみれじゃん」

「でも逆に泥しかないね。それはそれで良かったかも」

「確かに。ガッツで床を擦りまくって水ぶっかければ終わりだし」

「雑いな」

「新村が言うな」


とはいえ、方針は立った。

あとは手を動かすのみだ。


「同時進行で計画も立てないと……」

「それ、この放課後だけで3回は言ってるよね?」

「甘いな、裕介。飯メンは有言不実行の代名詞だよ?」

「駄目じゃん」


さほろの自信満々の言葉に、裕介が呆れながら突っ込んだ。


「それはそうと。崎戸のアレルギーに配慮しつつ、何食べるか決めますか」

「だね」


愁斗と里野が話す。


「あ、それは僕に任せて貰っていい? やすうまのうどん屋が近くにあるんだよね」

「よっしゃ決まりー」


裕介の発案により、一瞬で食べる場所が決まった。


「おー、流石は裕介」

「ぐう有能」


一気に囃し立てられた裕介は、気まずそうに咳払いをする。


「次、日にち‼そこちゃんと決めないといけないでしょ‼」

「あー、そうだね。どうする? 普通に休日とかに集まる?」

「遅刻魔の前でそれ言うか?」

「自覚してるなら直す努力をしてくれ頼むから」


真剣な顔で言った崎戸に、呆れながらも突っ込むさほろ。

それを見て笑いながら、今度は優が言った。


「来週の土曜日の、学校説明会のあとは?俺らも行かなきゃだし昼前解散だしさ、そのときで良いと思う」

「お、それなら良いんじゃねぇか」


新村も頷いた。


「店まではどうやって行く?」

「僕が案内するよ。念の為、お金は多めに持ってきてほしいかな」

「じゃあ、①日にちは来週の土曜日、②お店は裕介が案内する、③お金はちょっと多めに持ってくる……でOK?」

「うん、それでいいと思う」


これでご飯の件は大丈夫だと、さほろはほっと胸を撫で下ろす。


「さほろ、めっちゃ安心してんな」

「あ、優さん」


さほろは苦笑いをしながら言った。


「遊びに行く約束をして、日にち以外何も決まらなかった、なんてことはよくあったからね……」


当時のさほろは小学生。

十分な計画性がなかった訳だからそのオチは当然のことなのだが。


「……そういや、最近は同小だった子と会えてないな」

「外部受験組はそうだよね。俺もそうだし」

「逆に崎戸みたいな内部進学組を見てると、自分たちが地元中に行ってたらこんな感じだったんだろうなって思うよな」


外部受験組であるさほろ、里野、裕介がそんな話をする。

そのとき、さほろはふと思った。


(……地下鉄とはいえ、電車で移動して遊びに行くとか初めてかも)


楽しみだなぁ、と笑みを隠しきれないまま、さほろはデッキブラシを動かした。


「それにしても暑いな……」

「暑い?」


さほろが空を見上げると、強い日差しが照りつけていた。


「……暑いって自覚したらもっと暑くなった」

「なんだそれ」


優が可笑しそうに笑う。


それを見たさほろは、あぁ……モテるんだろうなこの人……と脳死で考えていた。


「……あ、そうだ。さほろ、耳貸せ」

「?」


優が小声で話した内容は、悪ノリ大好きなさほろの好奇心を擽らせるもので。


「やるか」

「やりますかー」


不敵な笑みをお互いに浮かべた2人は、デッキブラシを放り投げてプールサイドに上がった。


「…あれ、さほろと優さん……?」


里野が真っ先に2人に気づくも、何をしていたかまでは見えず、まぁいいかと放置。

……しかし、それが良くなかった。


「おーい男子ー‼‼‼」


さほろの大声で、プール内にいる男子勢は顔を上げた、次の瞬間。


「ぶわっ‼‼‼」

「里野の叫び方が独特すぎてビビってるんだけど、今」


顔にかかったものを軽く拭き、よく目を凝らす。

プールサイドではさほろは水が出ているホースを、優はゴミ箱の蓋を持って立っていた。


「ほれほれ、炎天下での恵みの水だぞー」


なんてさほろはテキトーなことを言いながら、勢いよく水を撒き散らしていく。


「それならこっちもやるぞ‼‼‼」


新村がプール内に置かれていたホースを手に取り水を噴射するも、それは優が持っていたゴミ箱の蓋で防がれてしまった。


「あっ‼‼」

「オイ女子だけズルくね‼⁉」

「こっちは数的不利があんだろが‼‼‼」

「喰らえ‼‼‼」


再び勢いよく水を撒くさほろ。

しかし、反撃をしているのは新村だけだった。


「……あれ、里野たちはやらんの?」

「水とはいえ女子に手を出すのはちょっと……」

「別に優さんたちが弱いと思ってるとかじゃないんだけどさ……」

「難波さんに逆らうの怖い、無理」

「服とか濡らして風邪引かせたら申し訳ないなと」

「何コイツら良い人すぎん????????????」


裕介、里野、崎戸、愁斗のそれぞれの呟きに、思わずと言った雰囲気でさほろが突っ込む。


「甘いぞお前ら。ここが戦場でも同じこと言うか?」

「優さん???????」


優は仁王立ちで高らかに言った。


「例えばここがサバゲーの会場だったとして女子が相手だからって手を抜くか‼?」


それを聞いた瞬間、4人の顔つきが変わった。


「……え、何でやる気になったの? 特に里野、裕介、愁斗(あの3人)


崎戸は重度のゲーム廃人だからまだわかる。

ただ、里野も愁斗もそこまでゲームに入れ込みすぎてる訳ではない。

里野に至っては、アニメオタクだったはずだ。


「裕介は知らんけど、里野と愁斗は負けず嫌いだからさ。挑発したらノるだろうなと思ったら大当たりだったよ」

「なるほどね……」


良く言えばノリの良さを取り戻した、悪く言えば単純。

でも面白いし良いかとさほろは思いながら、ホースで攻撃を仕掛けるのだった。

プロフィール No.3


里野筍


ボケもツッコミも両方を担当。常識はある。

ロリコンだという噂の根源をいつか突き止めようとしている。


誕生日:5月18日 身長:163cm 出身地:沖縄の真ん中らへん

一人称:俺 在籍クラス:3A

好きなもの:たけのこ、旅行、アニメ

苦手なもの:ロリコン(俺はロリコンじゃない)、ストーカー


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[良い点] 内容が好き。 めっちゃ解釈一致すぎて飛びそう さほろかわいい [気になる点] ない。全てが好き。 [一言] さほろかわいい
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