【第三幕】
私と吏愛さんは別々の高校に通っております。
吏愛さんは女子校に通われているみたいですが、私は公立の男女共学の高校に通っております。「人気アイドルになって成功してみせるから」と息巻く吏愛さんを悪くいうつもりはございませんが、勉強が出来てなんぼの世界だと私は思っております。従って勉強を疎かにした事はございません。
私が目覚めてからは。
するとどうでしょう。
なんと私は県内一の進学校に推薦入試で合格する事ができたのです。
一般試験よりずっと難しいペーパーテストと面接試験をクリアしました。
ええ。お母さまは大変に歓んでくれました。
私が高校生になって目覚めた事にとっても感心されたみたいで。
最初は気味悪がっておられましたよ。突然娘が丁寧な敬語を話すものですし、驚かれて無理もないことです。
でも、結果で黙らせばイイのです。
これは私の考え方ですが、人を羨んだり妬んだりして時間を過ごすのはなんと勿体ない事かと感じて仕方ないのです。お時間の無駄遣いじゃありませんか。
ほら、例えばSNS。バズっているインフルエンサーをみんなでやいのやいの言って、見えない事をイイ事に好き勝手な物申して。何者ですらないのにね。
虚しいったらありゃしない。
おっと、私も愚痴っている場合じゃありませんね。
私たちは地下アイドルの活動がありますゆえに部活等しておりません。
恋人はおろか友人も学校で作っておりません。昼休憩などにちょっとお話するぐらいの仲良しさんならいらっしゃいますが。その程度の仲で済ませております。
あ、私はですが。
吏愛さんはたくさん友達をお持ちになられているようで。時に恋人も持たれていました。しかし、お母さまにバレて叱咤を受け、泣く泣く別れたようです。
私はソレを愚かだと思いません。
ソレがキッカケで彼女もアイドル活動に精をだされるようになりましたから。
そう、キッカケがあれば人というモノはいくらでも変わることが出来るのです。
ねぇ? 私の話を聞いておられますか?
聞かれておられるならば、答えて欲しいものですよ。アナタにとって自分を変えるというキッカケはなかったのでしょうか?
私は怒ってはおりません。
ただ不思議なのですね。
何が一体アナタをそうさせたのか。
少なくともいま、私はとっても幸せですよ?
アナタは幸せではなかったのですか?
それは何故?
興味があるという訳でございませんが、疑問に思って仕方ないのです。
私は昨日も今日も……そしておそらくは明日も明後日もそれからもずっと……
祈りを捧げ続けるのですよ。感謝とその疑問を胸に。
∀・)読了ありがとうございます♪♪♪勘のいい人はここまで読んで何が真実か分かると思いますね。まだ夕暮れはでてきておりません。そこが「キッカケ」ですからね。
∀・)明日も16時~18時で連載致します。その真実を最後までみとどけてください――