ちくわ
ちくわ、好きです。
まんなかにおっきな穴をあけてるちくわに
あんたってば そんなおっきな穴を
まんなかにあけたままなのは
すう すう 風とおしはいいものの
ひゅう ひゅう すきま風が身にしみて
なんだか つらくないのかって
なんだか さみしくないのかって
たずねてみたあたしに
ちくわのあんたは
まんなかにあいた おっきな穴に
チーズやら キュウリやら ウインナーやらを
あれこれ 詰めてみせながら教えてくれた
まんなかにおっきな穴があいてることは
べつに わるいことでもないよ
じぶんだけで ぎっしりしてると
ほかのだれかを うけいれるすきまが
なくなっちゃうぞって
ちくわはあたしにわらってみせたんだ
そしたら あたしもきづいたよ
あんたは ただのがらんどうじゃないし
まんなかにおっきな穴があいてたって
その輪っかの部分は ぎっしりとしてるからこそ
うけいれたほかのだれかのことを
ちゃんと包んであげられるんだね
まんなかにおっきな穴があいてるのに ぎっしり
だから みんな安心して
ちくわに詰められてくれるんだ
ちくわに包まれてやれるんだ
ようやく それがわかったら
あたしは そんなちくわのことを
とっても素敵だなって そうおもえたよ
よくかじります。
タンパク質をとれる、魚肉バー!