アンマンマン風SFパニック小説 『餡饅』
アンマンマンさまの作風をパクったSFパニック小説です。
アンマンマンさまからは頼もしいお許しをいただいております。
その惑星を見つけた宇宙船の乗組員たちは歓喜の声を上げた。
「見ろよ! 青い星だ! きっと水も空気もあるぞ!」
彼等は流浪の民だった。
気が遠くなる程の長い年月を旅してきた。
食糧や燃料をどうしていたのかはしいなここみにでも聞いてくれ。
餡饅を食べながら艦長が命令する。
「早速あの星の大気が我々の生存に適しているかを調べろ。
当然だが先住者がいるならそれについても調査しろ。
そしてかわいい女の子がいたらわしに紹介しろ」
「クヒ!キキキ」
「アハ!ヒヒヒ」
乗組員たちが「御冗談でしょ?」というような笑いを浮かべる。
彼等は皆、食人族なのだ。
母星が住めない環境になったとかではなく、喰う人間が絶滅してしまったので宇宙へ旅立っていた。
「かわいい女の子なんかいたら、そりゃ自分で食べますよ」
「何もせずに偉そうに踏ん反り返って椅子に座っているだけの艦長なんかに誰が紹介するもんですか」
そんなことを誰もが思いながら然し勿論口には出さない。
さて彼方にはどんな知的生物がいるのかな?
彼等は青い惑星に接近すると鬱蒼とした夜のジャングルへ着地した。
「おかしいな」
「植物はあるが、動物の姿が見当たらないな」
念の為宇宙服に身を包み宇宙船を出ると彼等は調査に乗り出した。
宇宙船の中にいた時調べた情報によるとこのジャングルを出て間もない所に知的生命体の街らしきものがあった筈だ。
「あっ!」
「あれを見ろ!」
彼等が見上げる彼方には縄に縛られた人間の男女が吊るされている。
二人は甘い会話を交わしていた。
「見て、香織ちゃん。月がまん丸だよ。まるで餡饅みたい」
「綺麗。ふふふ、アン〇ンマンさん、素敵な夜ですね」
乗組員たちが呆れたように声を漏らす。
「なんだ彼奴等は」
「この星の住人は頭がイカれちまってるのか」
「でも二人共美味そうだな。食いたい」
その時突然、彼等の背後から大きな鎌を手にした全裸の男が襲いかかって来た。
「首狩族だ!」
「ヒィー! お助け!」
声を上げて逃げ出した乗組員達が森を駆け抜ける。
そこにはいきなり現代的な街があった。
高層ビルが建ち並び、然し既に廃墟と化している。
建物の間を徘徊していたゾンビ共が乗組員達を見つけると襲いかかって来た。
「ウワアー!」
「こんな腐ったモン食えねーよ!」
回れ右をして逃げ出すと大きな鎌を振り上げて迫って来ている先程の首狩族。
「アヒー!」
「こっちだ!」
横を向いて走るも何かに足が取られて進めなくなる。
「この地面、ミミズだ!」
「やめてぇー!」と、しいなここみが叫んだ。
大統領府でプーさんが呟いた。
「この星はもうダメだ。文明崩壊させちまえ」
プーさんの前には核ミサイルの赤いボタンがあり其れは彼方や此方へ向けて弾道を構えている6万5千騎のミサイルを花火のようにぶちまけるのを今か今かと待っていた。難しいことはしいなここみにはよくわからないのでカッコいいSF描写というかミリタリー描写?は出来ないが、プーさんの言動がシンプルなので助かった。この星は間もなくシンプルに滅びる。
そんなことも知らずに艦長は、宇宙船内の椅子に踏ん反り返って座り、呑気に餡饅を食べていた。
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