雛宇いはみ風ダークファンタジー小説(TS要素あり)『ガーゴイルのメスになったお兄ちゃんが可愛すぎて種族の壁を越えそう』
作者はTSに詳しくはありませんので、ツッコミ等はご容赦願います。
雛宇いはみさんは日本語ネイティブではない方なので、たまに見られるカタコトっぽいところも真似してみました。
雛宇様からは快く許可を頂いております。
「ガガッ……」
「お兄ちゃん!? 何か喋ろうとしているね?」
今、私の目の前にいる全身黒っぽい紫色の、コウモリみたいな翼の生えたガーゴイルは私のお兄ちゃんだ。正しくはお姉ちゃんかな。だって今の性別はメスだからね。
私は猫空日月15歳。お兄ちゃんは猫空太陽18歳。でも今の年齢はよくわからないよね。朝に起きたらガーゴイルになってたからね。魔物の見た目は物凄く長く生きてるように見えるから、180歳だと言われても信じそう。
「グガッ……ガガッ……」
お兄ちゃんが何か言ってる。でもこの意味はわからないね。ここは愛の力で聞き取ってみるしかないかな。
私はお兄ちゃんが大好きだ。この優しさはいつも私を守ってくれたよね。男の暴力で妹を抑えつけるなんて絶対にしなかったからね。今、お兄ちゃんは魔物になった。性別はメスだ。しかもここは魔物なんて普通はいない日本だから、差別なんてされないよう、か弱いお兄ちゃんを私が守ってあげるね。
「お腹が減ったのかな、お兄ちゃん?」
私が聞くと、お兄ちゃんは涙を流しながら首を横に振ったから、どうしたらいいだろう? そうだ、きっとお母さんなら何とかしてくれるかな。
「ゴブ、ゴブッ!?」
お母さんは今日の朝に起きたらオスのゴブリンになってる。同じ魔物だから何とか出来るよね?
「ゴブッ! ゴブゥーッ!」
棍棒を振り上げて襲って来たけど大丈夫だ。だって私は暴力が嫌いだからね。私の登場しているこの世界にそんな描写はあり得ないよね。
「うあぁ……うあぁぁー……」
ほらね。うめき声を上げながらお父さんが後ろから羽交い締めにしてお母さんの動きを止めてくれた。お父さんも朝に起きたらゾンビになってたからね。でも性別はわからないよ。腐りきってて人間の形をしていないからだ。
経緯はわからないが、ゴブリンとゾンビは仲直りして、急にイチャイチャとキスをすると、台所でイチゴのショートケーキを食べ始めたから、私はお兄ちゃんに言った。
「ほら、お兄ちゃん……。いや、お姉ちゃんかな? 私達も一緒にケーキを食べよう」
「ウガ……」
お兄ちゃんは素直にうなずいた。お腹は減ってないけど甘い物は食べたかったのかな? このうなずき方が可愛くて、私は思わずキュンとしてしまう。
ガーゴイルって可愛い。それが大好きなお兄ちゃんだから、宇宙一可愛い。お兄ちゃんがメスになったとわかるのは華奢な身体に胸にだけ膨らみがあるからだ。まるでチョコレートプリンみたいな可愛い膨らみだ。私はそれに触れてみたくなって、急いで手を引っ込める。
「やめるんだ、日月お姉ちゃん!」
私の頭の中に響いた声が止めたからだ。
そうか。私は家族の中で一番先に魔物になっていたね。五日前だったかな? 朝に起きるとサキュバスになっていた。サキュバスである私の手に触れられると、興奮が止まらなくなって、おかしくなるからね。いけない、いけない! お兄ちゃんをおかしなガーゴイルにしてしまうところだったね!
止めてくれた声は弟の淡水だ。淡水は14年前のある朝に起きた時から寄生生命体のモンスターになっていて、それからずっと私の脳に寄生している。
とりあえず、これで家族みんなで仲良くモンスターとして生きていけるね!
ここは日本だから勇者にいじめられることもないし。
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