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博士と助手のさいえんす日和  作者: ぬまろー
博士とキノコ狩り
6/25

第6話 博士とキノコと育毛剤③ +番外編 博士とサウナでととのい

「シナノダケを採取できて何よりだ」


「一日お疲れさまでした」


 俺と博士のキノコ狩りは、無事にシナノダケを確保することができ、成功を収めたと言えよう。

 遭遇した長野県民はシナノダケを所持しており、その時点で一本確保、さらに博士は長野県民の足跡を辿ることでシナノダケが生えているスポットまで推理するという謎探偵ムーブを発揮。そこで大量のシナノダケを採取することができた。博士の口からも、これだけあればしばらくは研究に専念できるとのこと。

 そんなこんなで、現在は民宿に戻って祝杯の晩飯に至る。長野の山で取れた山菜と鹿の肉の天ぷらはなかなか美味だった。旅館近くには温泉街もあり、心地よい気分と浴衣に包まれる。山菜採りは疲れたが、疲労困憊の身に温泉と旨い和食のコラボレーション、案外悪くない遠征だったんじゃないか?


「いやー、確かにシナノダケは入手できましたけど、帰り道は死ぬかと思いましたよ」


「まさかあの長野県民が蘇って仲間を呼び、我々を捕らえようと武器を取ってくるとはな。ゴム弾では無く実弾を使用するべきだったか」


 シナノダケ採取後は、なかなかの地獄であった。前述の通り、長野県民は仲間の部族を呼んで俺たちを捉えようと山の中を奔走し、奇声をあげるなどして俺たちを捕まえようと躍起になっていた。

 慣れない山道で武装した部族に襲われるとは、どこのファンタジー小説展開だろうか。俺たちは何とか逃げ隠れ、帰宅することができたが、もし捕まっていたら、どうなっていたことか。とはいえ、実弾使用の検討は止めておいて欲しい。彼女の助手として、切に願う。


「そういえば、あの長野県民はかなり毛深かっただろう」


「そうですね。全身毛だらけでした。あれもシナノダケの影響でしょうか」


「おそらくな。シナノダケを常食しているのだろう。私がシナノダケに目をつけたのも、民俗学者の目撃証言で未知のキノコを食す毛深い民族という所から気づいたからな」


「へぇ、じゃあもう他の科学者も目をつけていたり?」


「少なからず、な。だからここからはいかに実用化するかの競争となり得よう」


「疑うわけじゃないですけど、薬学とか医学とか、そのへんの専門家たちも研究してますよね。博士の勝ち目はどれくらいあるんですか」


「私の専門は工学だ。ロボット工学がメインだな。とはいえ、門外漢と言うほどではない。※日本医薬研究の会にも籍をおいている。去年だかに世間を騒がせた武漢ウィルスがあっただろう」


 ※実在しない団体です


「ああ、ありましたね」


「あれの特効薬を作ったのが私だ」


「へー。そういえばすぐにニュースで聞かなくなりましたけど、博士が携わってたんですね」


 武漢ウィルスといえば、去年の2月頃に世間を騒がせたことで、俺もニュースで見た覚えがある。元は名前の通り、中国の武漢の研究所で発生したらしく、ダイヤモンド・プリンセスだったかの旅客船内で感染者が出て、日本に襲来するとかなんとか言っていたな。

 いつしか名前を聞かなくなっていたけど、博士がさっさと特効薬を開発していたのか。


「もし早期対応しなければ、武漢ウィルスによる世界的パンデミックに陥っていたやもしれん。まぁ政府の迅速な行動もあったがな。いやはや、アレは私の研究活動でも地味な方だが、もしかしたら多くの人を救った大偉業だったかもな」


「ほんとかなぁ」


 俺はお茶でも飲みながら、彼女の話を聞き流す。

 何となく凄いのは分かるけど、とはいえそんな世界的パンデミックとかバイオハザードとか、漫画みたいな話が現実になるとは思えない。案外、博士が何とかしなくても誰かが別のワクチンをすぐに開発していたんじゃないかね。


「とにかく、シナノダケによる育毛剤の実用化は任せたまえ。それより助手! ごはん!」


「はいはい」


 俺は博士の茶碗を受け取り、近くのおひつからご飯をよそう。おひつと言えば女性側に置かれるものと聞いていたが、昨今は下座であれば男女問わずそちらに置かれるとか。てか、食いたいやつが勝手によそえよと思うけどね。


「うまい!」


「良かったですね」


 こうやってパクパクと白米を食べている博士を見ると、本当にただの小学生くらいの女の子のようである。


「ところで助手。明日の事だが」


「え、ああ、チェックアウト後は自由行動しつつ、夕方前には帰宅ですよね」


「そのつもりなんだが、どうだ? 少しばかり温泉街にでも行ってみないか? 何か予定があるなら無理にとは言わんが」


「あー、でも温泉はさっきも入ったじゃないですか。それに、今日みたいに歩き回って疲れたあとにひとっ風呂ってのが気持ちいいのであって、昼からってのは……」


「風呂は風呂だが、サウナだ」


「サウナ?」


「ととのう、という言葉くらい聞いたことがあるだろう」


「聞いたことはありますけど……実情はよく分かりませんね。サウナに入るくらいしか」


「実は水着を着用すれば男女で入れる温泉施設が近くにあってな。どうだ、行かないか? ととのう、という私にも理屈では少し説明しにくい、不思議な現象を味わう方法を教えるから」


 まぁ、電車で行こうと思った観光地はいくつかあったけど、思えば時間的な制約でどうしようか考えていたな。一人でブラブラしていても仕方がないし、ここはサウナに知見のあるらしい彼女に従うのもありか。


「じゃあ、折角ですしお願いします」


「よし! 決まりだな! おかわり!」


「はいはい。食欲旺盛なことで」


 少しはそのエネルギーが身長に行けばいいですね、と皮肉を言いつつ俺はご飯をよそった。

 博士に睨まれた。


☆☆☆ 


「来たか助手」


「はいはい。助手が来ましたよ博士」


 翌日。

 博士と俺は旅館をチェックアウトした後、近くのスパリゾート施設に赴いていた。本来は裸になるということで、男女が風呂のフロアを共にすることはないのだが、前述の博士による説明の通り、水着着用で少し狭いものの、ちゃんと温泉と水風呂、サウナが俺と博士は共に使用できるそうだ。

 室内は湯気が立ち込めて少し視界こそ悪いが、清潔感がある趣だ。手入れをしっかりしている施設で、銭湯特有の不潔感はない。都会のリゾート施設と言われても信じてしまいそうだ。

 そんな施設の中、俺は途中で購入した海パン姿、博士の方は白黒のビキニを着用している。


「……」


「……? 何ですか?」


 水着の博士が黙ってこちらを見ている。フリーズしてしまっているな。


「水着で出てきた女性に対して、まず言うことがあるんじゃないか?」


「男の子って言えば、トップスは無くても通用しそうですね」


「フンッ!」


 博士に鳩尾を殴られた。 

 しかし、博士の白黒の水着はビキニということで、俺としても反応には困らせられた。いや、だって、胸が本当に平らなのだから。凹凸がまるで無い。と言うか、体型からして小学生向けしか着れなかっただろうに、よくまぁ最低限大人っぽさを保てる水着が見つかったものだ。大人しくスクール水着でも着とけ。

 まぁ、そんな本音を吐露したところでなんの生産性も無いだろう。


「似合ってます。マリリン・モンローの生まれ変わりだったりしますか?」


「良し」


 何というか、俺の女性関係のほとんどが本音で話せず平身低頭な付き合いをしている気がする。これが男女上手くやっていく秘訣だろうか。


「とりあえず、シャワーを浴びて体の汚れを落とし、軽く風呂に入って体を温めよう」


 博士の指示に従い、俺はシャワーを浴びて、その後、風呂に浸かった。公共温泉で隣に女子がいるというのはなかなか奇妙な体験だ。


「さて、ここでととのう為の手順の説明だ。まずは身体を拭いてサウナに10分ほど入り、また身体を吹いて水風呂に30から1分ほど浸かり、また身体を拭いて外気浴。基本的にはこれを3回繰り返す」


「身体拭いてばかりですね」


「これが意外と重要なのだ。あ、入湯前にちゃんと水分補給はしたか?」


「ああ、一応多めに水分を取ってきましたよ」


「うむ」


 確認事項をすべてクリアしたのか、早速、体の水気を拭い、俺たちはサウナ室に向かった。


「あつっ……」


 当然だが、扉を開けた瞬間に慣れない熱気が襲いかかる。その場にいられない、と言うほどではないが、なかなか辛い熱さだ。

 ここに10分か。

 意外と大変そうだな。


「体調が優れなければ、それに応じて時間は短くしよう」


「了解です」


 息を吸うと、体内が熱気にやられた。これはあまりお喋りできそうに無いな。

 博士もそれを知ってか、先程の一言以降は黙っていた。いや、お喋りなんてする空間じゃないな。周囲の人を観察すると、老練のお坊さんの如く動かない。まるで瞑想しているようだ。

 室内は壁に貼り付けられた大きなテレビの音以外はほぼ無音。それも、テレビを見ている人は少数だ。


「……」


「……」


 意外とやることが無くて退屈だ、と思って目を閉じていると、全身から汗が流れているを感じた。普段、走ったり運動したりしている時は汗が流れる感覚に目を向けることは無い。しかし、今は全身至るところの汗がどこで生まれて、どこで水滴となり、どこに落ちていくのかを肌で感じている。


「ふぅ……」


 俺はダラダラと流れる汗をタオルで拭いた。心なしか、汗を拭った後の肌はツルツルしているようにも思えた。


「そういえば、時計がないから10分ってわからなく無いですか」


 流石にサウナの中に腕時計していくわけにもいかなかったので、今の俺は時間を把握する術はない。当然、博士も似たようなものだ。


「大体でいい。そうだな、あのテレビのニュース番組がCMに入って、それが終わったら出ようか」


 博士が示したニュース番組は、まだまだCMに入りそうにない。なるほど、タイミング的にはそれでちょうど良さそうだ。

 そうと決まると、俺はあまり興味のなかったニュース番組を注視するようになった。早くその場から出たい、という気持ちがそうさせたのかもしれない。長野の地域放送ということで、普段見ている番組と少し趣向が違うのがまた面白い。

 ニュース番組が、愛知県の民家で起起きた車上荒らしのニュースを一通り紹介し終えたあと、天気予報の予告をしつつ、CMに入った。

 あと、1分か2分ってところか。

 俺は再び、全身の汗を拭った。隣の博士を見ると、猫背になりつつも集中しているのか目をつぶり、声をかけられぬ雰囲気をしている。

 1つのCMが始まって、また終わる。まだか、まだか、とジワジワとした熱気の中、ニュースが再開するのを待つ。


『では、今日の天気です』


 ナレーターの声が室内に響く。


「そろそろ出るか」


「そうしましょう」

 

 待ちわびていた、博士のセリフ。

 自分ではなかなか言いにくかったので、これは博士に感謝だ。


「ちょうど良いし掛け風呂で体を洗うか」


 俺と博士はぬるい水をかけて、博士の方はさっさと水風呂へ浸かりに行った。

 じゃあ、それに続こうかな……。

 と、俺がまず一歩、水風呂に足を踏み入れ、水着が浸かるほどまで潜ると、


「冷たっ!」


 飛び上がる勢いで、俺は水風呂から出た。まるで身体全体が拒否反応を表したようで、水風呂が恐ろしいとさえ感じる。


「ムリムリムリ! 博士はなんで平気なんですか⁉」


「私も最初はそんな感じだったさ。コツは、身体が無理だと思う間もなく、しかし飛び込まない程度に素早く入るんだ」


 平然と水風呂に浸かりながら、博士は語った。正直、ちょっと博士凄いな。急激な寒暖を淡々と身体に染み込ませているって、結構な負担じゃないのか?


「とにかく、今は無理なら、せめて冷水だけでも浴びておけ。水風呂から冷水をすくって頭にかけるだけでもいい」


「そうします……」


 水風呂から冷水をすくって、頭からかける。かなり冷たいが、浸かるほどの衝撃はない。

 その後は、一応シャワーで冷水を被っておいて、そのまま博士と合流。博士の方はかなり寒そうにしていた。


「外気浴だ」


「はい」


 室外に出ると、もう夏は近いというのに肌寒かった。まぁ、半裸だしなぁと思いつつ、俺と博士はリクライニングチェアに腰掛けた。


「ふぅ」


 やっと一息。

 今頃になって、サウナで虐め抜いた身体が休まっていくのを感じた。


「油断すると寝ちゃいそうですね」


「その程度でもリラックスできてるなら十分じゃないかな」


 そう言う博士の方は俺より断然リラックスしている。彼女の深呼吸が俺の方にも伝わる。完全な脱力状態だろうか。俺が声をかけても、ちゃんと聞いてくれるか怪しい。

 何というか、サウナに入ってからの彼女は話辛い雰囲気をまとっているな。そのせいか、俺もあまり彼女の前で冗談を言ったり、からかったりできない。

 しかし、外気浴の方は中々に心地が良い。肌に風が当たるたびに、自然に包まれるような気さえする。目を閉じると、まるで宙に浮かんでいるとさえ錯覚しそうだ。本当に気を抜くと寝そうだ。


「さて、そろそろサウナに」


「あ、はい」


 夢見ていた気分だったが、博士からの横やりが入った。


「何というか、サウナに入る意味はあるんですか?」


「簡単に言えば、サウナの熱気で急激に体を温めた後、それを急激に冷やして、外気浴で平常状態にする、という通常ではあり得ない体内変化が重要なのだ。何というかな、身体が凄い非日常的環境変化を繰り返したことで、外気浴時に脳が強制的に機能オフ状態になるんだな」


「てことは、水風呂にも入ったほうがいいんですかね」


「ああ。凄い気持ちいいぞ。身体をいじめ抜いた後のトランス状態は……まぁ、言っても分かりづらいな」


 ……。

 うーん、まぁ確かに説明されても実感できないだろう。


 再びサウナに入ると、また身体が軽く悲鳴を上げた気がした。

 しかし、2回目ということで大きな不快感はなかった。最初と同じように、テレビを見つつ、出る時間を伺うことになった。


「慣れてくると、サウナから出る適切なタイミングが掴めるようになる」


「へぇ」


「まぁ最初は辛くない程度、10分ということにした。今後、サウナに通うなら、サウナ、水風呂、外気浴にしても自分が心地良いと思うタイミングを探ってみると良いだろう」


「体内時計ってやつですかね」


「少し違うな。まぁ追々分かってくる」


 そんな感じで、2回目のサウナを終える。そして、身体の汗を流しつつ、博士はそそくさと水風呂に入った。

 ……。

 俺も、今回くらいはと水風呂に足を入れ、間髪入れず肩まで風呂に入る。


「冷ッたァァァッ……」


 と、吐き出すように声を漏らした。身体の心から温まった身体に、冷水が包む。


「博士」


「何だ」


「意外と何とかなりますね」


「そのコツを掴めたなら良かった」


「でも、ちょっとでも動くと体温で温められた水の膜が抜けて、めっちゃ冷たいです。動きたくありません」


「熱の対流だな。君が勢いよく入ったおかげで、私にも冷たい波が伝わってきた」


「ゆっくり入れっていうのは、そういう事なんですね……すいません」


「まぁ、そもそもゆっくり入ったところで冷たい波は多少来るものだ」


 慣れれば水風呂も苦ではないが、しかし次第に体の芯が悲鳴を上げてきた。


「出ます」


「私も出るか」


 そして、またまたお会いしました室外のリクライニングチェア。

 俺と博士は何も言わず、座って、目を閉じた。


 あ、今の俺、空飛んでるわ。

 これがトランス状態か。

 ヤバい薬をキメてるみたいな感覚だけど、不思議と怖くはない。なぜなら、俺はただサウナと水風呂に入っただけだし。

 合法ドラックかな。

 水風呂に入るか否か、それだけでトリップ具合が段違いだ。何も考えられない、と言うより思考がクリアになっている。


「博士」


「何だ」


「俺、また来ますね」


「気に入ってくれて何よりだ」


 その後も、俺と博士は外気浴を終え、3回目のサウナ、水風呂、外気浴を終えた。

 すごいリラックス状態というか、体が軽い。肩こりや疲労感がすっかり消えてしまった。

 博士と別れ、更衣室で着替えをしている時も清々しい気持ちは消えない。頭がスーッとして、体の動きもキビキビしている気さえする。

 そんな中、思いついたことがあった。

 クレヨンしんちゃんの野原ひろしが、ビールが上手くなるからと言う理由だけでサウナに入っていたな。思えば、今なら未成年で、ビールなんて飲んだことないけど、今なら“知識”ではなく、“体”が分かっている気がする。


「……ノンアルって、未成年でも飲んで良いんだよな……?」


 ふと、本音が漏れた。

 とにかく、俺はロッカーに要らない荷物を預けつつ、服を着て、ドライヤーで髪を乾かしつつ、外に出た。

 外には、既に博士が俺を待っている。


「来たか、助手。昼食はここで食べていくか」


「ええ……そうしましょう」


 俺は神妙な顔をしたまま、博士の挨拶を返す。そんな俺に、博士は違和感を思ったらしく、キョトンとした顔で尋ねてきた。


「……ん? どうした助手。なにかおかしいぞ?」


「……いや、何というか、ですね」


 俺は一呼吸おいて、重い口を開ける。


「博士、サウナで興奮したあとに飲むビールって、絶対に美味いやつですよね」


「……。まぁ、そうだろうな」


「ノンアルコールって、未成年でも飲めるんでしたっけ」


「……。法的には問題ないが、アルコールテイストだからメーカーは推奨していない」


「……科学分野って訳でもないのに、詳しいですね」


「……。まぁ、調べたことあるから」


 そう言う博士は、どこかよそよそしいというか、複雑な反応をしていた。


「……」


「……」


「……じゃあ、やめときますか」


「……」


「……」


「い、いや、でも、『ノンアルコール』……『ノン』! アルコールだから! ま。まぁ問題はないだろう!」


「で、ですよね! アルコールテイストだから駄目っていうのは、いつかアルコール飲料に興味が出てしまうからであって、アルコールに興味が出なければ良いわけですし!」


「あ、ああ! メーカーが『ノン! アルコール』と銘打って売り出しているのだから、それはアルコール無しジュースと変わりない!」


「ええ! 僕達はジュースを飲みたいなぁって話をしているだけです!」


「少なくとも『今は』悪いことはしてないわけだしな!」


 多分、今の俺たちはかなり悪い事を考えている。それこそ、表沙汰には出来ない、顰蹙を買うような行動に違いない。未成年飲酒で炎上したアイドルなんかは記憶に新しい。

 いや、でも。

 何というか、薬物に手を出す人たちって、多分こういう気持ちなんだろうなぁ。


「アハハ……」


「ふふっ……」


 俺と博士は、どこか不自然に笑いあった。

2人がノンアルコールビールを本当に飲んだかは、コンプライアンス的に描写しませんが、成人済の私は、サウナ後にビールを飲むのはメチャクチャ美味い、とだけ言っておきます。

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