11-8 成果
二週間後の婚活は、お見合い形式の一対一で行われた。
義弘は里美の食事のおかげで、六キロのダイエットに成功し、だぼだぼになったジャケットやパンツを新しいものに買い替えた。もちろん靴も里美が選んでくれた新品を履いた。
「かっこいいよ。これならバッチリ!……頑張っておいで」
里美に励まされて家から出た義弘は、今までになく自信満々で婚活会場に向かった。
部屋で待っていると、水色のワンピースを着た色白の女性が入ってきた。
華奢な体型で、義弘にとって、まさにど真ん中な女性だった。
お互いの自己紹介から始まり、会話も途切れることなく続いた。
食べ物の話からお好み焼きは関西か広島かということになり、二人とも広島ということになったのだが、そこでまた義弘の城マニアの情熱に火がついた。
「広島城とカープの関係知ってますか?」
里美は慌てて止めに入った。
「義君抑えてよ」
しかしこの心配は杞憂に終わった。
「太田さん、城のこと詳しいんですか?私も城めぐり好きなんですよ。広島城が鯉城と呼ばれているから、カープの名前もそこからきたんですよね」
これには義弘も驚き感動した。
「すごい。よく知ってますね」
その後は互いが好きな城の話で盛り上がり、時間はあっという間に過ぎた。
「また会っていただけますか?」
義弘の問いかけに、女性は快く応えてくれた。
ちなみにスワローズの由来は特急つばめ号で、ドラゴンズはオーナーが辰年生まれだったからということでした。