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1-7 丈瑠の真相

 マックに入ると、丈瑠が手を振ってきた。横にはどこかで見たことのある男性が座っていた。


 成美はその男性にペコッと頭を下げて、丈瑠の向かい側に座った。


「いきなり呼び出してごめんな……横にいるこいつ、高校からの友達で、橋下優希。写真で見たことはあるだろ。」


 別れて二週間程度が過ぎたが、成美は丈瑠の顔を真正面から見ることはできなかった。丈瑠も同様で、おかしな雰囲気が漂っていた。


(やっぱり来るんじゃなかった……。今さら友達なんて紹介して何がしたいんだろ)

「私に合わせたいっていうのは、そのお友達?」


「そうなんだ。それでちょっとこれを見てくれないかな?」


 丈瑠はそう言うと、優希という男子に目で合図した。


 優希はスマホの画面を成美に向け、一枚の画像を見せた。そこには優希本人とその彼女らしき女性が写っていた。


「その子見覚えあるだろ?」

 丈瑠が尋ねてきた。


「あっ!」


 その()は、数日前、夜の街を丈瑠と歩いていた女だった。それを成美が見たことから丈瑠との喧嘩が始まったのだ。


「成美さん、ごめん」

 優希が気まずそうに頭を下げた。


「この()俺の彼女なんだ。先々週、駅まで迎えにきてって頼まれたけど、どうしても行けなくてさ。こいつに頼んだって訳……。その後それが原因で丈瑠と君が喧嘩別れしたって聞いたんだけど、なんとか元に戻してくれないかなあ。丈瑠って、学生の時はモテすぎて悪いこともやってたけど、君と付き合ってからは、どうしたんだってほど君一筋だったんだよ。信じてもらえないかなあ」


 成美は丈瑠を正面から見た。


「どうして言ってくれなかったのよ。友達の彼女なんだって」


「言ったさあ!……だけど聞いてくれなかったろ? だからこうして優希まで連れてきたんだよ」


 成美もあの時のことを思い出すと、確かにそんなことを聞いたかもしれないと思った。


(何を聞いても信じる気にならなかったから、聞いてなかったかも)


 しばらく沈黙が続き、丈瑠が口を開いた。


「なあ、もう一度やり直さないか?」


「うん」

 頷いた成美から笑みがこぼれた。

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