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入浴すると悩みを解決できる銭湯があるという都市伝説 那楽華の湯  作者: 西城 休
第7話 ファイブストーンズ ファンタジー
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7-12 たっくんママ

 拓哉がゲームをクリアしてから、しばらく大騒動だった。


 スポーツ新聞には、「ファイブストーンズファンタジー奇跡のクリア」と報道され、製作者のインタビューも載った。


ーー製作者ーー


「あと一年くらいは誰もクリアできないと思ってました。マザードラゴン(京子のこと)の卵も絶対に見つからないような場所に隠しておいたのですが」


 Q:このことでアップデートが早まったりしますか?


「アップデート?大きいのはまだまだ……スケジュール通りに進めますよ」



 拓哉はあれからほとんどゲームをやらなくなった。あれだけ刺激的な体験をしたせいか、別のゲームをやっても興奮しなくなってしまったのだ。


「母さん、仕事見つけてきたよ」


 職探しを始めた拓哉が帰ってきた。


「母さんまたやってんの?勝手に母さんのフレンドを俺につなげるのやめてくれよ」


 ゲームに興味を持った京子は、拓哉とは対照的にゲームを始めたのだった。もちろん何時間もプレイするわけでもなく、目的はゲーム内でのコミュニケーションだった。何しろヒーローの母である。大勢がつながりを持ちたがった。


「今日はテテテテっていう子が、ゼルデブブ山のボス手伝って欲しいそうよ」


「何?それ!怪しい名前の人とは、つながり持っちゃダメだって言ったでしょう」


 勝手に手伝いを引き受けてくることもあった。


「だいたい……そのアカウント名から変えて欲しいわ……たっくんママって……」


 こうしてたっくんブームが治るまでは、京子の冒険は続いた。



 そして、アップデートが行われた一年後、今井家のゲーミングPCは埃をかぶっていた。

第7章完結しました。第8章は騒音に悩まされる女性の話です。応援よろしくお願いします。

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