表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/162

1-6 ブン太との生活

「ブン太、猫なのにニャーとかニャンとか言わないのね」


「ナルタンはそんな喋りがいいのかニャン? 希望するならそうするニャン」


「いや、やめて。私に移りそうだから」


 服を着たブン太はスラっとしたさわやかイケメンだった。身長は丈瑠ほど高くないが、それでも百八十五センチある丈瑠の服を普通に着ていることから百八十くらいはありそうだった。顔も猫らしく、小さくシュッとして、少し吊り上がった涼しげな目が成美の心を捉えて放さなかった。


 ブン太との日常は、成美にとって新鮮で楽しいものだった。猫だから気まぐれなところもあったが、料理や掃除、洗濯も教えればやってくれたし、何より自分のことだけを見ていてくれることが、今の成美の心を癒してくれた。


 仕事から帰ると、ブン太の作ってくれた晩御飯を食べ、愚痴を聞いてもらい、一緒にお風呂に入る。そんな毎日が続いた。そして丈瑠のことをほとんど思い出すこともなくなりかけていた頃……丈瑠から電話がきた。


 成美は一瞬迷った後、電話に出た。


「はい、成美です」


 横にはブン太がいて、いつものさわやか笑顔で成美を見ていた。


「成美……ちょっと会って欲しいやつがいるんだ。最後の願いだと思って来てくれないか?」


 どうして今頃。と思ったが、丈瑠の意味深な呼びかけに成美の気持ちも動いた。


「いいよ。暇だから」


「ありがとう。嬉しいよ。……じゃ、駅前のマックで待ってるから」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ