7-5 ラスボス
「我が名はドルフヴェルム。人間ごときが我に剣を向けるとは、どれ程おこがましい事なのかを、その身に教えてやろう」
ドルフヴェルムはラスボスらしく、全ての能力が高かった。その上、額にある目が光ると、拓哉は数秒動けなくなり、一方的に攻撃を受けた。しかし、拓哉は拓哉で、反則とも言えるほどのHPを持っていたため、HPを半分近く残して、ラスボスを倒すことができた。
チャットには「おめでとう」の文字が並んだ。しかし喜びもつかの間、お決まり事のように城が崩れ始めた。
拓哉は大急ぎで城を出た。城を出ると数名が城の様子を見に来ていた。どれもステータス上位の者たちだった。何しろここにたどり着く事自体が難しいゲームである。見に来たくてもほとんどは不可能なのだ。
城が完全に崩れると、各地で嵐が起きた。そして、城が崩れた場所では、雷と突風の中、巨大なモンスターが出現した。
「影ボスだあ」
「やっぱりいた!やばい!逃げるぞ」
野次馬で来ていた者たちは消えてしまった。
「ドルフヴェルムをやったのは、お前かあ」
拓哉はそのモンスターを見た。
「我が名はエグォブリオン。お前の力全てを我に見せてみよ」
エグォブリオンの手から放たれた光は拓哉を包んだ。拓哉の力がみなぎり、極限まで回復した。
拓哉はエグォブリオンの顔の高さまで跳躍し、剣を向けた。しかし無残にも一発の平手で体ごと吹き飛ばされた。
結局、あまりに巨大な敵相手に戦い方を見出せず、何もできないまま敗北してしまった。
モニターに蘇りの儀式を行いますか?の文字が現れた。
「終わらないじゃない。このゲーム」
梢女を信じていた京子は呆れ顔で呟いた。




