4-5 真実
誠也はネットで自殺の場所を調べた。高校の校舎から飛び降りたことは分かったが、正確な場所までは分からなかった。
とりあえず行ってから聞けばいいと思っていた誠也だったが、見知らぬ成人男性が高校に入って、「五年前の自殺現場はどこですか?」なんて聞けるはずがなかった。中でうろちょろしていること自体、不審者と思われかねない現代の風潮である。誠也は怪しまれないように、ただひたすら校舎の周りを歩くことにした。
正門から生徒玄関に向かっていくと、玄関前に人影が見えた。近づいた誠也は声も出ず、腰を抜かして尻餅をついた。
そこに居たのは身体中血まみれの奏多だった。
奏多は首の骨が折れているのか両手で首を支え、右脚も明後日の方を向いていた。
「ぐぅあだだぶぁごればぁびびぇるのべふか?(あなたは俺が見えるのですか?)」
※以後( )内表現のみ
奏多は顎も骨折しているのか口をもごもごさせながら話しかけてきた。
誠也は頷いてから立ち上がり、恐怖で震えながら答えた。
「俺だ。奏多。誠也だよ。ちょっと歳とったけど。お前の幼馴染みの」
「ああ、誠也かあ」
「痛くないのか?奏多」
「痛い?そうだよなあ。普通痛いはずなのに。おかしいなあ。……それより、何しにきたんだ?誠也」
(何しに?店員に言われたから来ただけなんだけど……)
「俺さあ、毎日見るんだよ。お前がいじめられる夢。本当は(いじめを)止めなきゃいけなかったのに……あいつら本当にひどいやつだよな。恨んでるんだろあいつらのこと」
「そうだね。恨んでるよ。伊東も田川も斎藤も加納も……そして何もしなかった顧問やコーチもみんな殺してやりたかった……でも死んでから分かったよ。一番悪いのは誰かが」
「ここに居るとね。いろんなやつが何でも話してくれるんだ。どうやら俺の姿が見えないらしくて。……その中の一人が話してたんだ。SNSでこの学校の子にまで俺の悪口振りまいたり、前の学校で、俺に関するデマを振りまいていたやつがいたって。……ここまで言えば分かるよね」




