三十九話 戦の後
俺はエルフの里に出向いていた。
「エルフ全員に告ぐ!エルフ軍は全滅した。先に手を出したのはそちらだ。今後、俺や俺の信頼する者に何かしようとした時は、この里を滅ぼす。次はないと思え!」
エルフ全員が家から出て、泣く者、驚く者様々居たが、俺を恨むような者は居なかった。賢いエルフは自分達が悪いことをわかっているようだ。戦える竜種も居なさそうだ。暫くは平和かな。伝えるべきことは伝えた。シヴィの所に帰ろう。
シヴィ達アース王国軍はまだ戦場に居た。その中心にはエルフ達が居た。彼らはホーリープリズンの中に入ったままだ。どうしたんだ?
「このエルフ達、どうするの?」
「原因はお前だが、アース王国に武装してやって来た。だから、捕虜にしたのだが、お前がこれをどうにかしないことには、運ぶ手段がない。」
かなり悩んだのだろうクロノアは眉間に皺を作った跡を見せて、ホーリープリズンを指して言った。あ、俺のせいなのな。
「悪かった。」
俺はエルフ達の足にもロックをした。これで手足が枷で拘束されたことになる。逃げることも歩くことも出来ない。ホーリープリズンも解いた。
「助かる。」
そうして荷馬車に積まれていくエルフ達。「人間ごときが!」とか何とか言っているが、誰も聞く耳を持たない。俺も無視して、シヴィの所に戻った。
「シヴィ、ただいま。」
「ルヴィ、お疲れ様。」
シヴィが撫でてくれる。気持ちいい。クロノアも「お疲れ様。」と言ってくれている。疲れていたのか、俺はシヴィの腕の中で眠った。
「竜種って強かったんだな。あんなに沢山見たの初めてだ。」
「それにシルヴィ殿の竜種が圧倒的に強かった。」
「なんで、竜種は弱いなんて思ってたんだろう。」
そんな後ろでアース王国軍の人達がそんな会話をしていた。




