三十八話 どこまでも強気
全ブレスをホーリーブレスで相殺した。相殺じゃなかった。そのまま一体の竜種に向かっていって命中したんだ。かろうじて生きているが、上に乗ってる魔物は倒れた。
エルフが俺の周りに魔方陣を出した。シャドウアローだ。良い判断だな。上級には上級だ。だが、俺は魔方陣をアイスで氷付けにした後、シャイニングバーストで破壊した。
「ええい!ちまちまと攻撃しおって!邪魔だ!」
アース王国軍が魔法で、エルフ軍に攻撃し続けてくれている。それを鬱陶しく感じたのか、フレイムバーストをアース王国軍に放ってきた。それを俺がアイスウォールで防ぐ。その間も俺に攻撃してきているが、的が小さいせいで、なかなか当たらない。俺も避けているから余計な当たらない。
俺はホーリーバーストとアイスバーストの合わせ技をエルフ軍の下に転移させた。巨大な魔法陣から合わせ技が現れて、上に向けて発射された。エルフ軍は避けるのに間に合わず、竜種九体がかろうじて生き残った。上に乗っているエルフもかろうじて生きている。残りの魔物はシャドウウルフ以外全滅だ。シャドウウルフが俺の小さな体にある僅かな影に入ってきた。攻撃するつもりなのだろう。俺はホーリーでスパークと同じことをした。すると、シャドウウルフが雄叫びをあげて俺の影から落ちていった。残りは竜種とエルフだ。
「グオォ!」(殺せ!)
アイスドラゴンだ。仲間でなく俺に言った。これ以上縛られて生きたくないということだろうか。俺はホーリーアローで竜種九体を狙った。何発打っただろうか。エルフの指示以外で避ける様子を見せない竜達。次々に倒れていく竜達。俺は悲しくなった。
竜種十体も倒れて、落ちてきたエルフ達に俺はロックで魔力を封じた。
「このまま死ぬか、捕虜となるか選べ。」
魔力が使えないとわかったエルフ達が俺を睨む。
「ふん!どちらも選ばぬわ!」
すげえ。負けたのに強気だ。俺はホーリープリズンでエルフ達をアース王国軍に引き渡した。
「死も捕虜も選ばないって。」
俺は政治がわからない。だから、クロノアに投げ出した。
「そうか。それは残念だ。では、捕虜として王都に来てもらおうか。」
俺はその間に竜達の火葬をしに向かった。




