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最強竜種に転せ...竜種が最弱!?  作者: 林十-りんと-
第四章 エルフ戦
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三十五話 エルフの処遇

 俺達は謁見の間に来ている。初めて来たな。王様には会ったことあるけど、正式に会っていたわけではなかったからな。シヴィは片膝を立てて頭を下げている。クロノアは一瞬同じことをしたが、直ぐに立ち上がった。俺は何もしなくて、護衛が「不敬だ。」と言ってこっちに来ようとしたのを王様が止めてくれた。

「そなたがシルヴィ・ランスの…。随分と変わるのだな。まぁ、良い。エルフを捕まえたと聞いたが、眠っておるのか。」

「はい。」

 クロノアが答えるが、起こすことも出来る。

「起こしましょうか?」

 俺が敬語を使ったことで、クロノアとシヴィが誰?とでもいうように驚いてこっちを見た。王様はどうした?とでも言いたげだ。

「起こせるのか。では、そうしてくれ。」

 起きろ。一人に向けて唱えた。俺と話した奴だ。

「ん…。ここは…。」

「おはよう、お兄さん。よく眠れた?」

 笑顔で言ってやった。

「!?何故私達が捕らえられている!?おい、起きろ!」

「無駄だよ。随分効いてるみたいだから、暫くは起きないよ。捕らえられたのはね…俺に意地悪したからとでも思っときなよ。だから、王様に謝罪しなよ。」

 驚くエルフに笑いながら言った。嘘は言ってない。

「お前のような子ども、私の手で…!?」

 怒って攻撃しようとしたが、何も出ない。魔力が使えないことに気付いたようだ。

「茶番は済んだか?」

「はい。」

 王様の言葉に俺は頷いて、一歩下がってシヴィと同じ体勢を取った。それにまたもや、シヴィとクロノアが驚いてこっちを見る。そんなに驚かなくたって良いじゃないか。俺だってしようと思えば出来るんだ。

「エルフよ。人間を見下し、国に入ることさえ拒んできたお主達が何故今、この国に来た?」

「お前ら人間に教える義理はない。」

 強気だ。でも、捕まってるから様にならない。笑える。

「今、お主達は魔力も使えず、捕らえられている。立場をわかっておるのか?此方は何時でもお主達を殺すことが出来るのだぞ。」

「だから何だ。私達を殺せば、他のエルフがお前達を滅ぼしに来る。それだけだ。」

「それは残念だ。…お主の獲物だ。始末しなさい。」

 俺に向かって言ってきた。ということは、経験値を独り占めして良いってことだな。

「ありがとうございます。」

 俺はエルフの前に立った。

「お前のような子どもに何が出来る。」

 まだ強気だ。そんなエルフに洗脳を使う。

「入国理由を言え。」

 敢えて口に出した。「誰が言うか!」と反抗しようとしていたが、次第にエルフの目が虚ろになっていき、口が開いた。

「ルヴィリカというフェアリードラゴンを探す為。」

「探す目的を言え。」

「契約する為。」

「竜を集める目的を言え。」

「エルフが世界を支配する為。」

 もう良いだろう。俺はホーリーアローにアイスを合わせて、エルフの心臓に刺した。全員にだ。すると、全身が氷った。最後にファイアボールで形がなくなるまで燃やした。

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