三十一話 ギャップ
体力と魔力は数日で元に戻った。その間、ずっとシヴィの肩に乗って仕事を見ていた。モノスの下で仕事を覚えたり、クロノアの下で仕事をしたり、忙しそうにしていた。
あと少しで進化出来る状態になっていた俺は渋るシヴィの許可を得て、ガイスの迷宮に来ていた。一日で帰ってくることを約束して。
スライムに絞って地道にレベル上げしようと思っていたが、そうもいかない。サンダーユニコーンとアイスユニコーンに出会ってしまった。番だろうか。二体仲良くしていた所に俺が来てしまった。同時に怒りだして、アイスキャノンにサンダーを纏わせた、合わせ技で攻撃してきたんだ。避けて、ホーリープリズンで二体を別けた。身動きの出来ない二体。サンダーユニコーンは放電して壊そうとしている。アイスユニコーンは暴れるだけ。ホーリーアロー数発ずつで倒すことが出来た。そして、火葬する。
進化出来る状態になった。転移してシヴィの部屋に戻ると、シヴィが仁王立ちで待っていた。
「遅い!」
「ごめん。」
「心配させないで。」
俺を大事に抱えるシヴィ。泣きそうな顔になっていた。
「シヴィ、進化出来るようになったんだ。眠る前にしても良い?」
「そうだね。」
そう言って、俺をベッドに降ろした。進化先は、フェイムドラゴン、フェシードラゴン、フェースドラゴン、フェンドラゴン、フェリサドラゴン、フェリスドラゴン、フェリンドラゴン。順番に火、水、土、風、雷、氷、毒だ。妖精と暗黒はなかった。何か、文字をいじったような名前だな。俺は氷のフェリスドラゴンに決めた。雷は放電さると周りに迷惑かけるだろうし、毒は何か地味な攻撃だから嫌だ。氷も冷気とかで迷惑かけるかもだけど、雷よりはましかな。
久しぶりの進化だ。身体の感覚がなくなった。暫くすると、感覚が戻ってきた。どんな姿だろうと思ったが、シヴィの様子が「もう終わり?」という表情になっている。
「シヴィ、俺、今、どんな姿?」
「え、あぁ。ごめん、見せるね。」
そう言って、姿見の前に連れていってくれたシヴィ。氷のような二本の角が生えて、翼と尻尾の先端が徐々に雪のように白くなっているだけ。他は進化前の薄桃色のままだった。これは拍子抜けする。ステータスには驚かされた。
ルヴィリカ、フェリスドラゴン、1/100、312235/361934、593121/634235。




