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最強竜種に転せ...竜種が最弱!?  作者: 林十-りんと-
第三章 冒険
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三十話 投薬の後

「エルフの里、ガイスの迷宮の向こう側に行ったと。」

 王立薬学研究所から戻って、クロノアの執務室に入ると、開口一番にそう言われた。

「最初は迷宮内で大怪我を負っているエルフが居たから、助けたんだ。」

「で、お礼をしたいとでも言われて付いていったと。」

「あぁ。」

「知らなかったんだ。仕方ない。それで?ルヴィリカ、お前から見てエルフはどうだった?」

 腕を組んで、唸るように言ったクロノア。

「何百年も生きているだけある。竜種に詳しかった。だが、竜種はエルフを信頼していなかった。あと、帰る時、俺を追ってくる奴が居た。」

「撒いたのか?」

 驚いた後、納得した表情をしたクロノアは、わかってはいるが確認の為というように聞いてきた。

「あぁ。撒いた後に転移したんだ。追ってくるにしても、暫くはこの国に辿り着けないよ。」

「そうだな。暫くはだな。父上に報告して、警備を強化する必要があるな。シルヴィも忙しくなるぞ。」

「はい。」

 シヴィは不安そうに俺を見て返事をした。俺はシヴィから離れていかないからな。安心させるように俺は久しぶりにシヴィに頬擦りをした。


「人に化けれないかな。」

「!?難しいんじゃないかな。」

 夜、俺の呟きにシヴィが驚いた。この世界で人化した魔物が居るなんて聞いたことがない。驚くのも当然か。

「難しいと思うから出来なくなると思うんだ。」

 元は人間だ。大体の体の構成は知っている。出来るはずだ。

「それでも、今はしたら駄目だよ。暫くは安静にって言われたんだから。」

「そうだな。治ったら挑戦してみる。」

「俺の居ないところでしないでね。」

 俺を大事に抱えながら、ベッドに向かい始めたシヴィ。

「何故?」

 必然的に上目遣いで聞くことになった。

「何処で誰に見られるかわからないからだよ。夜、この部屋でだけにして。」

「わかった。」

 シヴィが不安そうに言うから、そう言うしかないじゃないか。

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