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最強竜種に転せ...竜種が最弱!?  作者: 林十-りんと-
第三章 冒険
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二十六話 エルフ

 更に奥に進むと、ポイズンスライムやアイススライム、サンダースライムがうようよ居て、倒していった。スライムは中級でも比較的倒しやすかった。そんな中、ウォスプやアイスウルススも倒した。ウォスプは毒で中級だけど、蜂だからフレイムバーストで群れを一気に倒した。アイスウルススはホッキョクグマに似ていた。蜘蛛やマカクみたいに苦戦はしたけど、なんとか倒せた。


 ある空間に出ると、洞窟の中なのに湖とその中心に一本の木を見つけた。何故?と思ったが、ここは迷宮だ。あってもおかしくはないと諦めた。そしてそこには、一体の黒い狼と横たわる金髪の青年がいた。狼は青年に寄り添っている。契約した魔物なのかな。

グロウ、シャドウウルフ、10/50、2533/8353、512/32153。

クロス・エト・ノワール、エルフ、37/500、13/15009、8/139345。

 鑑定してみると色々、驚いた。上級の魔物にエルフ。俺も上級だけど、初めて会った。エルフにも。というか、この世界にエルフ居たんだ。魔力量が桁違いだ。そして、瀕死に近い状態だ。何があったんだ。

 俺が近付くと、グロウが唸る。どうしたものか。

「クークー。」(助けさせてくれ。)

 久しぶりに声出したな。魔物に念話は不要だろうと思ったんだが、鳴き方が「クー。」になってる。

 伝わったのか、唸るのを止めてくれた。腹から血が出ている。大怪我だ。ハイヒールをかけた。これで怪我は治るはず。体力と魔力も多少は回復するはずだ。

「んっ。ここは。」

「クーン。」

 気が付いたみたいだ。碧眼が見えた。グロウが心配している。

「私は怪我をしたはずだが。グロウ…が治せるはずはないか。」

 グロウを撫でながら言うクロスは、やっと顔を上げて、俺を視界に入れた。

「何故こんなところに竜種が。…妖精フェアリーか。なるほど。君が助けてくれたのだな。ありがとう。」

 鑑定をされた。頭の中を覗かれているような感覚。シヴィのような知った間柄にされる時は何も思わなかったが、知らない奴からされると、こんなに嫌悪感があるのか。

「クー。」(どういたしまして。)

「君の主はここには居ないのか?」

 俺は頷いた。

「そうか。君にお礼がしたい。一旦この迷宮を出ようか。」

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