十二話 初めての会話
ステータスと鑑定は簡単だった。転生ものを読んだ時に見たものをイメージしたら出来た。先生はちゃんと黒板にステータスがどういう風に見えるか書いてくれたんだが、ちょっとだけ見にくいものだった。この世界の文字だからというのもあるかもしれないが。俺と先生の違いは努力値、いわゆる次のレベルまであとどのくらいかわかる値くらいだが、これはいらない。他は一緒だ。名前、種族、レベル、体力、魔力、技が見れる。ということで、俺のステータスはこんな感じだ。
ルヴィリカ、ドラゴン、15/50、149/149、510/520。技は省略させてもらう。
次いでにシルヴィ・ランス、人間、15/100、1103/1103、13209/13309。
クロノア・リオ・アース、人間、15/100、1159/1159、53059/53159。
魔力が減っているのはステータスと鑑定で使ったからだ。二人は先生で練習して、それぞれを練習台にしていた。俺の最大値、悲しいくらい低いな。
次は、妖精魔法と闇魔法だ。妖精魔法は回復魔法、補助魔法、光属性と聖属性と思われる魔法だ。暗黒魔法は深淵魔法、闇属性と思われる魔法だ。因みに、契約、ステータス、鑑定、念話は無属性魔法と呼ばれる特殊な魔法らしい。
簡単な妖精魔法、暗黒魔法から学んでいるが、仕組みを理解させてから、イメージに繋がるように教えている。これは中級の講義でも同じだ。ということは、仕組みが理解出来ていれば、学ばなくてもイメージ出来るのではないか?念話は頭に話しかけるものだから…それじゃあ、一対一でしか話せないな。周りに頭の声を拡散させるイメージかな。シヴィ、シヴィ…
「シヴィ」
小さい声だったけど、出来た。
「?」
シヴィがキョロキョロしている。俺はシヴィの机の右手側から正面になるように移動した。
「ルヴィ?どうしたの?」
「シヴィ、聞こえる?」
「!?」
今度はさっきより大きな声に出来た。シヴィは驚いた。聞こえたのだろう、横に座っていたクロノアも驚いてこっちを見た。
「ルヴィ、今、講義中だから待ってね。」
「わかった。」
◇クロノア日記◇
鑑定を学んだ。先生、シルヴィ、ルヴィリカの順で練習した。そこでわかったこと。鑑定も含めて、シルヴィとルヴィリカの技が全く同じだった。魔物に技を教えることは難しいと聞く。シルヴィはどうやってルヴィリカに技を教えていったのか。
ルヴィリカから少年のような高い声が聞こえた。少ししか話していないが、城で念話を使う魔物よりもかなり流暢に話したことに驚いた。城の魔物は念話を使っても単語しか言わないから何を言いたいかわからない。竜種は賢いが、シルヴィが言葉を教えていたとしても、初めから流暢に話せるものだろうか。