Girl's View 2
そしてそこに、その子がいた。
ハイキングコースから分かれた小道を上がっていく途中で、その広場に人影が見え、わたしはぎくりとしてたちすくんだ。大人ではない、わたしと同じくらいの身長。その子は穴を覗き込んでいた。気配を感じたのだろう、その子はさっと振り向いた。わたしと、一瞬目があった。
外人。
わたしは反射的に目をそらしながらまずそう思って、むしろほっとした。ほっとしたのは、色々聞かれても説明する必要がないからだ。聞かれたって何かわからないし、むこうもわたしが判らないことはすぐ判るだろう。そんなことしちゃ駄目だの何だの、色々言われることもない。そもそも、こんなところに長居しないはずだ。
そう思って、小道の端に身を寄せた。すれ違って降りていいよのサイン。目を伏せて、スコップと石を握ったままの、さっき洗ってきた手を眺めた。丁寧に洗ったつもりだけど、まだ爪の間に泥が少し残っている。できるだけ、汚さないように子犬を埋めてあげなくちゃ。最後に墓石を乗せて、お祈りをして帰るんだから。
手をゆっくり眺めていたが、その子が通りすぎて降りていく気配がない。しぶしぶ目を上げると、その子はわたしの掘った穴のそばに立ったままで、まだこちらを見ていた。眉が少しひそめられている以外は特に表情はないままだ。肩にわずかにかかる長さのショートヘア、Tシャツにジーンズにスニーカー。ここからでは女の子か男の子か判別できない。たぶん近所のインターナショナルスクールに通う子だろう。
ここら辺りには外国の、「ガイシケイ」の会社も多く、外人を見かけるのは、別にそれほど珍しいことではない。でも交流があるかというと、それは別だ。彼らは彼らの世界があって、わたしたちとはほとんど交わらない。インターに通う日本人の子もいるのでその子たちはまた別だろうけれど、わたしのように公立校に通う、普通の子にはただ見かけることがある、というだけの存在だ。
困った状況だった。その子はなぜか動く気はないらしい。わたしは日が暮れるまでに、子犬を埋めなくちゃならない。わたしは小道のさらに端に寄って、その子に目をあわせ、少しあご坂道の下の方にしゃくって、降りれば?というしぐさをしてみた。その子はちらりと下の小道に目をやったけど、でもやはりそのまま立っていた。
一旦どこかに行こうか、ちょっとの間考えた。誰もいなくなれば、あの子もきっと立ち去るだろう。でも、あんなベンチの下に子犬を置き去りにするのは嫌だった。日も暮れてきてしまう。退いてくれそうになくても、かまうものか。わたしはわたしのしたいことをすればいい。わたしはゆっくりと小道をのぼって、広場を横切って、ベンチの方に歩いていった。
「・・・・?」
その子が何か言った。その子の方に振り向くと、穴を指差しながら、わたしの方をみて何か言っている。私は首を振った。何を言われているのか判らない、というしぐさだ。その子はもう一度、今度は少し大きな声で、ゆっくりと繰り返した。英語ということはわかったが、わたしはため息をつきつつ、もう一度大きなしぐさで首を振った。ついでに肩もすくめてみせた。
" I can't speak English" ぐらいは言えたけど、どのみち会話する気がないのだから、それすらも面倒だ。その子は眉をくっきりとしかめ、ちょっと上を向いて、それから顔を横に向けて腰に手をあて、大げさにため息をついた。その様子に少しカチンときたが、やはりその子は穴のそばから動く気がないのを見て、少し途方にくれた。出て行って、というべきだろうか。ジェスチャーか、そうでなくてもGo awayとか何とかぐらいは言える。
でもここは公園で、別にわたしの場所ではないし、NOと言われればそれまでだ。なんとなく、この子は出て行かないという気がした。でもこのまま、この子が見ている前で埋めて、後で興味半分に掘り返されたりしたら・・・それは本当に嫌だった。ここは子犬が静かに眠るためにわたしが選んだ場所なのだから。
わたしはベンチにいき、腰かけた。ねんのため、子犬の包みがその子から見えないように、子犬がいる場所の上にスカートを十分に整えて座り、あさっての方角を見つめた。どこかで小さく鋭く小鳥が鳴いた。
ちらりと一瞬目だけ動かして、目の端でその子がわたしを見ているのをとらえた。何か反応を待っているのだろう。でもわたしは無視し続けた。もう根競べだ。日が暮れたってかまわない。子犬をこのまま置いてはおけない。あの子もそのうち帰るだろう、いくらなんでも、日暮れまでには。緊張した時間・・・少なくともわたしには。
どれくらいの時間が経ったか判らないが、とにかくわたしは下の小道や町並みを眺め続け、その子の存在を考えの外に追いやろうと努力した。西に傾いた日の光はますますオレンジ色を増し、家々の屋根の瓦の一部はまぶしくて見ていられないほど光を反射していた。一瞬ぼうっとしていたに違いない、気がつくと、背中が見えた・・・あの子が小道を降りていくのが見えた。わたしはまだ動かないで待っていた。その子は振り向かずにそのまま、ハイキングコースを出て公園の方に消えていった。
しばらくじっとしていて、あの子が戻ってくる様子がないのを確かめ、また他に人がいないのを確かめて、そっとベンチの側にしゃがみこみ、グレーの包みを取り出した。子犬の包みは、昼間わたしが抱きかかえていた頃よりも、さらに軽く、硬くなったような気がした。
そっと布を払って、子犬の顔を出した・・・目を閉じたままの姿で、でもやはり何かが違っていた。見知らぬ犬のようだった。わたしの見知らぬ顔。わたしはじっと見つめた・・・わたしと子犬の間にあった、何か親密なものを取り戻したかった。今日の朝には疑いなくあった何か親密な、信頼に値するものを。でもそれは失われたままだった。どうやってもここには戻ってこないものだった。
わたしはゆっくりともう一度子犬の顔に布をかけて、しっかりと子犬を包むと、ゆっくりと穴の側に進んだ。穴の側にひざをついて、そっと穴の中に子犬をおいた。グレーのまるい包み。穴の中で、まるでそれは柔らかい粘土のように見えた。周りに積み上げてあった土をスコップで少しずつ戻していった。埋めていくのには勇気がいった。土を落とすたび、わたしのおなかの中にも何か黒い土が積み上げられていくようだった。
まだ、もしかしたら生き返るかもしれない。今息をしていて息苦しいかもしれない。そう思って時々手をとめて、様子をみた。でも穴の中は静かだった。鳥の声や、虫が飛んでいるのだろう、林の中のざわめきや、時折遠くの道路でなるクラクションの音や、そうしたものはこの穴の中には届かないかのようだった。少しずつ、穴は埋まっていった。グレーの塊が見えなくなったとき、あらためて、ふたたび、激しい後悔がわたしの中に現れた。グレーの塊が、今埋めたばかりの塊が、わたしのおなかの中に、そのまま埋まったような感じだった。
わたしが何とかするべきだったのだ。わたしが病院に連れて行くべきだった。この子の瞳。朝の様子。わたしがその役目だった。ごめん、ごめんね。
声は出せなかった。声を出してしまえば、泣いてしまえば、全て芝居のように、うそ臭くなるように思えた。かわりに、ゆっくりと土を押し込んでいった。堅く、堅く埋めていかなくてはいけない。後で誰にも掘り返されないように。野犬や獣に荒らされないように。上から押して、押して。自分が埋められているかのように胸が苦しいのは、子犬のわたしがつながっていた最後の証拠。わたしの役目。わたしのせい。ごめんね、ごめんね。呪文のように繰り返して土をかぶせ、全身をかけて土を押し込む作業を繰り返した。
あらかた穴を埋め終わった後だった。後は平らにならして、他のところと同じように柔らかい腐葉土や落ち葉をかけておけばいい。わたしは少し息をついて、墓石にするため持ってきた石を取りにベンチまで行こうと少し顔を上げた。足が見えた。スニーカーとジーンズ。わたしは息がつまるほどびっくりして、振り仰いだ。
そこには、あの子が立っていた。
わたしは呆然として、今埋め終わったばかりの穴の側で、座ったまま相手を見つめた。いつからいたのだろう?何を埋めたか見ていたのだろうか?いったい何だって戻ってきたのだろう?
相手は、わたしの驚いた様子にさらに驚いたようで、何か言いかけるように口をあけたまま、一歩さがった。その手に白い石が握られているのが見えた。子犬の墓石。ベンチに目をさっと走らせた。そこには石はなかった。わたしは唇をかんだ。「返して。」 大きく息を吸って、ようやくかすれた声が出た。手をだして、もう一度言った。相手は驚いた様子のままわたしの顔を見ていた。自分が石を握っていることも、わたしが何を言っているかもほとんど気づいていないようだった。少し考えて、深呼吸した後、わたしはゆっくりといった。
"It is mine. Give it to me."
その子はちょっと固まっていたが、しばらくしてわたしが英語をしゃべったことに気づいたようだった。わたしが指差している先の自分の手の中にある石を見て、小さく"Oh"とつぶやいた後、" You speak English." とわたしに確認した。わたしは何もこたえず、ただ、手を差し出した。その子は、少しためらった後、そっと石を握っている手を差し出しつつ、反対側の手をわたしの差し出した手の下におき、わたしの手を支えようとした。たぶん、石が重かったのでしっかりと手渡そうとしたのだろう。でもわたしは、その子の石を持っていない方の手が、自分の手の近くに来たとき、反射的に手を引っ込めてしまった。
わたしが手を引いたので、石はその子の手からすり抜けて地面に落ち、転がった。もう一度とろうとその子が屈むのより早く、わたしは手を伸ばしてその石をさっと取った。重い石を無理に取り上げたので、手首がぐきりとねじれ、その痛みに少ししかめ面になった。その子は石をとろうとした中腰の姿勢のまま、唇の端を少し曲げた。怒っているようだった。普通に考えて、失礼なのはわたしの方なのだろう。少なくとも、この子はたまたま出会った子が、何をしているんだろうと興味をもっただけなのだ。会話しようとする試みを、わたしが一方的にはねのけているのだから。
でも邪魔をされたくなかった。願わくば、この雰囲気を察して出て行ってくれるといいと思っていた。そもそも戻ってきて欲しくなかったのに。
でもその子はなんと、わたしの側にわたしと同じようにひざをついて、埋まったばかりの穴にさわろうとしたのだった。
「さわらないで!」わたしは先ほど手を引っ込めたことも忘れて、思わずその子の手を払いのけていた。
その子はむっとした様子で、でもそれでももう一度手をのばそうとするので、わたしは全身でその穴だったところをかばいつつ、もう一度叫んだ。"DO NOT TOUCH!"
"What's beneath?"とその子が言った。
"You don't have to know it! Leave me alone! "
中に何があるか知りたがるその子に向かって、自分でもびっくりするほど強い調子で言葉が出た。英語のクラスでこれぐらい言葉がはっきり出ればいいのに、と一瞬場違いに思ったほどだ。その子は一瞬ひるんだものの、また、早口の英語で何か言った。ほっといてって言ったのに! わたしが眉根を寄せたまま固まっているのを見て、もう一度、ゆっくりといった。
"First, tell me what's in, then I'll leave here."
今度の英語は少し長かったので、理解するのに少し時間が必要だった。私が何を埋めたか教えたら、ここから去る?わたしは眉根をさらによせて、ほとんどにらむようにして、その子の顔をじっと見た。
今まで髪型と服装以外ほとんど注意を払っていなかったのだが、その子はとてもきれいな顔立ちをしていた。髪は薄く色があせたような黄色・・少なくとも表面は。中はもう少し濃い色のようで、日にあたっている部分だけメッシュのように色があせていた。夕日を背中に立っているので、目の色はよくわからなかったが、黒くないことと、とてもきれいに光るということだけはよくわかった。頬ほねのあたりに薄くそばかすが散っていて、かたちのいい唇は今は引き結ばれていた。とてもきれいな顔で、そしてそれと同時に何か常にはっきりしたものを表すことのできる顔だった。今は穴の中に何があるのか知るまで帰らないという、大げさにいえば不退転の決意を、その目と、引き結んだ口と、そしてかたくしまったあごが表していた。そしてわたしには、その子はボーイッシュな女の子か、きれいな顔立ちの男の子か、近くで見ても、声をきいても判別できなかった。
わたしは大きくため息をついた。中になにがあるのか?言ったら納得して帰ってくれるのだろうか?答えは簡単、「犬」だ。単語も知っている。DOG。でもこの言葉を使うのは嫌だった。もしわたしがそのとき、子犬(Puppy)という言葉を知っていたら、使ったかもしれない。きれいな音のことば。でもそのとき、わたしはそんなことばは知らなかったし、そしてわたしの子犬は断じて「ドッグ」なんかではなかった。そんな、濁音だらけの、はき捨てるように発音される、そんな生き物ではなかった。
もっと何か大事な、わたしにとって繊細な、貴重なものだった。わたしと子犬。目の端に、夕日が家々の間に落ちていこうとしているのが見えた。ああ、もう、どうして放っておいてもらえないのだろう?わたしはただ、静かに、子犬と一緒に、最後に一緒にいたいだけなのに・・・!わたしは答えになる言葉を探した。少ない単語から、かろうじて、一番ましな答えを引っ張り出した。押入れの奥の衣装ケースから季節外れの服をひっぱり出すように。そして、その子と目をあわせて、肺に残った息を吐き出していった。
"It's myself."
そう言った後、ふいに悲しみがわたしを覆った。大きな厚手の布が、自分の上に落ちかかってきたかのようだった。わたしと子犬。こみ上げてくる何かを抑えるために息をとめた。視界がゆがんで、何かが頬を伝って落ちた。その子は何か言おうとしていた。でもわたしの顔を見て、一瞬息を止めたようだった。わたしはしゃがんだままうつむいて、ひざを抱えた。頬を伝っているのが涙なのか鼻水なのか知らないが、それはわたしと子犬のもので、他の人に見せるものじゃない。それに、小さく丸まっていないと、声を上げて泣いてしまいそうだった。見知らぬ子の前で、泣くなんてしたくなかった。
その子はわたしの側にしゃがんで、何か言っていた。もちろんわたしには聞く余裕がなかった。しばらくして静かになった後、わたしの腕に何かがそっと触れた。少し顔を上げたわたしの耳元で、その子はゆっくり、はっきり言った。
"Stay here a little while. Okay? STAY."
そういうと、その子は走って小道を降りていった。ハイキングコースの、わたしがやってきた方とは逆の方、池に下りていく方へ走っていった。曲がりくねったコースをまっすぐつっきって走っているらしく、ガサガサと大きな音が聞こえていた。その音が聞こえなくなるまでわたしはじっとしていた。
悲しみの塊はまだのどに詰まった感じがしていたけれど、一人になって、わたしと子犬だけなんだと思えると、ずいぶんと気持ちが和らぐ感じがした。もう一度埋まった穴を―お墓を見て、静かに地面をならした。周りの地面との境目がないように、しっかりと土を平らにし、落ち葉を静かにかぶせた。そして、穴の一番左端、木の根元に少しだけくぼみをつくり、そこにきれいなあの白い石をおいた。
こうした作業を全て終えると、少し離れて眺めた。ならされた辺りはまだ土の黒いところが見えているが、数日経てば、特に雨でも降れば、もう周りと一緒で判らなくなるだろう。白い石は、そこにはっきりと存在を主張しながら、でもずっと昔からそこで大木に寄り添ってきた感じがしていた。悪くない。子犬のお墓として、ほんと、悪くない。
わたしは白い石の前にもう一度ひざまずき、手をあわせた。もう一度、今朝の子犬の顔を思い出して、小さく、ごめんねとつぶやいた。
日はもう光の名残を残すだけで、本体はもう家々の向こうに姿を消していた。あと数十分でこのあたりも薄暗くなるだろう。ここにいて、と言ったあの子。あの子が戻ってきたら、戻ってきてわたしがいなかったら、あの石をどけて中を掘り返すだろうか?ちょっと考えた。どちらにしろ、もし向こうが本気で掘り返す気なら、わたしにできることは何もない。毎日24時間見張っている訳にはいかないのだから。
でもなんとなく、あの子はそうはしない、という感じがした。とりあえず、帰ろう。待て、とあの子は言っていたけど、多分泣いたわたしをみてなんとかしたかったのか、動転したのか、どちらかだろう。万一戻ってきても、ここにわたしがいなかったら、すぐあきらめるだろう。暗くなる前に家に帰らないと、心配をかけてしまう。広場から小道に出て、もう一度だけ振り返り、きちんと子犬のお墓がそこにあることを確かめて、それから走って家に帰った。
家に帰ったとき、母が、本当にほっとした顔をしていたのが強く印象に残っている。母は少し息を吸った後、「あのこは?」と小さな声で尋ねてきた。「埋めたの。森の中に。」 わたしの答えを聞いて、さらに何か尋ねた気にしていたが、わたしの顔を見て、口をつぐんだ。有難いことに、そっとしておくことに決めたようだった。
次の日、朝の光がほんのり空を染めてくる頃合いに、玄関でサンダルを履きながら、わたしは緊張していた。
いつ行けば、あの子に会わずにあの場所を確かめられるだろう。
あの子がずっと待っているような気もしたし、まさかそんなはずはないという気もした。
結局、早朝ならまだ来ていないだろうという結論を出し、普段なら絶対にしない早起きを敢行し、庭先の花を摘んで、まだ薄暗いうちからあの場所に向かった。
日中のあのゆらめくような暑さは幻かと思うほど木立の中はひんやりとしていて、むき出しの腕があわ立つのがわかる。足元の土や落ち葉も黒々としていて、木々の葉にはまだ朝露すらついていない。まだここは夜の範疇なのだ。
おっかなびっくりという表現がぴったりの格好で、わたしはあの場所の近くまでくると、背伸びをして覗き込んだ。人影は見えない。
ほっとしながら、なぜかため息が出た。
でも近づいていくと、異変に気付いた。白い石のそばに、何かが置いてある。
それは一輪のガーベラだった。真っ白な花が黒々とした土の上で、きれいに円を広げていた。その下の葉のない茎が潔く伸びて、それはまるで広げた手のひらと伸ばされた腕のようだった。
そっと花びらに触れるとすべやかでかすかな感触が伝わってきた。それは石のように冷たく硬くなく、柔らかではかない感触だった。
その下に小さなメモがあった。簡単な英語で、
「君と、君が埋めた何かへ」
とだけ書かれていた。
わたしが泣いたから、なぐさめようと思って持ってきてくれたのだろうか。もしかしたら、と思った。あの子は、これが弔いであることを判ってくれたのかもしれない。そしてこの花は、子犬にふさわしい。小さくて、柔らかくて、儚かった、わたしが埋めた子犬に。
わたしはガーベラをそっと白い石の上においた。そしてあの子のメモと、自分が摘んだ花を持って、そして家に帰った。
女の子の話はここでおわり。次は男の子の視点です。