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カニバテロ  作者: 橘 諒介
2/3

研究部

*

「おーい!大丈夫か!?」

崇の声が響きわたる。

「あぁ。先に行っててくれ!」

拓斗が必死に返事をすると、崇の潔い声が再び響いた。

「ねぇ、もう帰らない?」

優花の声だ。そこには懸命な吐息が混じっていた。

「……そうだな」

流石の亮も疲れたかのように呟く。

「メールでもしておくか」

拓斗は崇に引き返すことを告げた。そして、許可が下りると、ゆっくりとその足を180度ひねり、軽快に身体の向きを変えた。

「もう、疲れた〜」

ワガママそうに大きな声で美花がわざとらしく呟く。一同は面倒なのか、疲れて声も出せないのか、返事をする者はいなかった。

「おい!」

拓斗が声を上げた。

「なんだ」

亮が、鬱陶しいかのように反応する。

「えっ…………?」

何とも間抜けな声だった。意図せず漏れた声はその場の空気に溶け込んだ。

「なにこれ……」

明らかにそれは死体だった。頭皮は引きちぎれ、鼻が取れ、一方の目玉は飛び出ていた。さらに、腕は捥げ、橈骨が突き出ている。腹は引き裂かれ、内臓がぶち撒かれていた。

「うっ……」

噎せるような感覚。余りの刺激から身体が強ばる。逃げ出したい衝動に駆られるが、1人で逃げたところで却って危険な状況に陥る。かといって、この場に留まる訳にもいかない。このジレンマに押し潰されそうになる4人は誰かの言葉を必死に待っていた。

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